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MA米の廃止も視野 WTO農業交渉「日本提案」正式決定 (12/8)

WTO農業交渉日本提案の決定に当たって
平成十二年十二月八日
農林水産大臣談話   

 本日、WTO農業交渉に臨むに当たっての日本提案を決定した。

 今次の農業交渉は、ウルグアイ・ラウンド農業合意で定められた継続交渉と位置付けられているが、それ以上に、二十一世紀の世界全体の農政の基本的方向が決定される極めて重要な意義を持つ交渉である。政府は、こ のような認識に立ち、本年一年をかけ幅広く国民各層からの御意見を拝聴するとともに、関係省庁が一体となった体制を構築し、この提案のとりまとめを行ったところである。

 この提案は、ウルグアイ・ラウンド農業合意実施後に生じた各国の農業 ・農政上の諸課題を十分検証し、その課題の解決を図るべきことを各国に呼びかけている。また、世界的な共通課題としての農業の多面的機能や食料安全保障に配慮すべきこと、輸出国、輸入国の規律上の不公平を是正すべきこと、開発途上国への配慮や各国の市民社会の関心に応えていくべきことを主張している。

 今後、交渉に臨むに当たっては、関連する情報の適切な開示により、交渉プロセスの透明化を図り、引き続き国民合意に基づく交渉を行うことが必要であると考えている。また、その全ての過程を通じ、政府・関係機関等が一体的な意思決定を図り、政府間交渉のみならず、各般のルートを通 じた各国との意見交換や論議を行うことにより、今回の我が国の提案が国際的に理解され、賛同されるよう努めていきたいと考えている。

 さらに、国民の主食であり我が国農業の基幹作物である米については、 枠外税率、マークアップを含む、ミニマム・アクセス米の管理、国家貿易の三つの柱が一体となった総合的な国境措置・輸入米管理体制を堅持することを基本に、交渉を行うこととしている。また、ミニマム・アクセス米に ついては、引き続き適正な管理を行うことにより、米の需給と稲作経営の安定を図っていく所存である。

 私は、農業は各国の社会の基盤であり、二十一世紀が平和と尊厳に満ちた国際社会であるならば、その基盤となる農業は世界のどの国においても維持・発展させなければならないと確信する。今次の農業交渉は、このよ うな多様性と共存という基本的哲学に立って行われ、我が国にとっても各国にとっても受け入れ可能なバランスのとれた交渉結果を確保しなければならない。今後、政府としては、この実現のため決然と交渉に臨んでいく決意である。

 

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