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遺伝子組み換えトウモロコシ飼料で日米合意
  だが食用で、また混入発覚
  甘い米国側の検査 (12/18)


 米国が対日輸出する家畜飼料のトウモロコシに遺伝子組み換え(GM)の「スターリンク」が混じらないようにする輸出前の検査について日米両国政府は18日合意した。
 米国農務省の基準にもとづいて輸出業者などが抜き取り調査をするが、その実効性を確認するため日本の農水省は必要に応じて検査官を米国へ派遣し、検査と分別流通を監視することができるといった内容だ。つまり日本側の立会いを認めたところに特徴がある。

 すでに民間ベースでは輸出入業者間で船積み前の自主検査をしているが、今後は業者間で日米合意にもとづく契約を結んだ上で検査をする手続きとなる。農水省は18日、業界に説明。すぐ実施に移した。
 検査のサンプルは船から採取し、1検体400粒で3検体以上とする。日本向けだけでなく、他国から求められた時も米国は同じ基準を提示するという。
 さらに、こうした措置を実施しても混入の心配が生じた場合は改善に向けた日米協議を通じて適切な措置をとるとの一札も入った。

 これよりさき、食品、飼料ともにスターリンクの使用を承認していない日本にこれを輸出した米国政府に対し、農水省は「まことに遺憾」として米国政府に混入防止措置を求めていた。
 また米国が食品では認めず、飼料では承認しているという二刀流自体に問題があるとも指摘していた。
 スターリンクは殺虫タンパクを持つ害虫に抵抗性のあるトウモロコシだが、人間が食べるとアレルギーを引き起こす恐れがあり、米国は食用を認めていない。  しかし農水省は「組み換え遺伝子によって生じたタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されてなくなってしまうから、家畜の肉には移行しない」(流通飼料課)といい、これを実証するため飼養試験をしている。

 また同省は4月から6月までに全国で、港の船、サイロ、飼料工場から採取した15検体を検査したが、うち10検体からスターリンクを検出したと11月16日に発表している。混入比は最高で1.5%だった。
 市民団体は、こりより早く5月に混入を指摘していたが、同省は否定していた。
 一方、食品への混入は10月に市民団体の調査で発覚した。さらに飼料用で日米合意が成った12月18日の翌日には厚生省が混入を発見した。これは米国による検査済みのサンプルから検出されたもので、米国側の検査の甘さを露呈した。
 厚生省はこのサンプルを採取した米国の港から対日輸出されたトウモロコシがないかどうかを調査中だ。
 こうしたことから市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は飼料用の日米合意についても「米国は混入を見逃している。輸出業者の検査や農水省検査官の監視で責任が持ち切れるのか。日本側の水際監視も強化すべきだ」としている。

 なおスターリンクはフランス医薬品大手「アベンティス社」が開発した組み換え体で、日本への輸出を目ざし、食品では厚生省に承認審査を申請。飼料では農水省に申請を打診中だ。
 しかし農水省と米農務省は、これまでの混入発覚で損害を受けた日本の輸出入業者がアベンティスに補償を求める場合は情報提供などを通じて支持すると合意した。
 なお、農水省は畜産農家に対する飼料の安定供給について当面、支障はないとしている。



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