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朝食を食べている子どもほど「学習意欲が高い」−朝ごはん実行委が「朝食と学習意欲」調査 (1/29)


 受験シーズン。朝ごはん実行委員会は1月29日、昨年12月に行った中学3年生対象の「朝食の摂取実態と学習意欲、態度との相関関係についての調査」結果を発表した。概要は次のとおり。
 ○調査対象−首都圏・関西圏居住の中学3年生の男・女。FAXでアンケート調査。有効回答数171(回収率75.7%)。
 ○調査実施日−2000年12月15日〜19日

1、中学3年生の朝食事情

 @大半の子がほぼ毎日食べている−−
 朝食摂取頻度は「1週間に6〜7日」が78.4%、同4〜5日が7.0%、同2〜3日が8.8%、「朝食は食べない」は3.5%。

 A13.6%の女子が「たくさん食べる」−−
 摂取量で「たくさん食べる」は男子3.6%に対し女子は13.6%と、女子が10ポイントも高い。
 一方、「あまり食べない」「ほとんど食べない」女子も合計で40.9%(男子は33.7%)もおり、女子はよく食べる子と食べない子に二極化している。

 Bごはん派ほど、おかずの種類が多い−−
 「朝食で食べることの多いおかずや飲み物は?」の問いで、ごはん派とパン派で比べると、汁物(ごはん派64.7%対パン派21.7%)、魚・貝・かまぼこ等(10.3%対0.0%)、肉・ウインナー・ハム等(55.9%対42.2%)、卵・卵料理(55.9%対38.6%)、豆・豆腐・納豆等(25.0%対6.0%)など、食品数でごはん派の方が大幅に上回っている。

グラフ1 グラフ2

2、朝食を食べている子どもほど学習意欲が高い

 @朝食を食べている子は、自主的に勉強−−
 ふだんの勉強について、朝食摂取頻度1週間に4日以上の子どもと、同3日以下の子どもと比べると、4日以上の方が、「宿題をきちんとやる」で24.4ポイント、「家族に言われなくても自分から勉強する」で9.5ポイント、「教科書以外でも調べる」で9.3ポイント上回っているなど、自主的に勉強していることがわかった。

 A朝食を食べている子は、学習習慣がある−−
 学校がある日の勉強時間について、「ほとんどしない」は、1週間に4日以上朝食をとる子が8.9%に対し、同3日以下の子は24.0%で、15.1ポイントの開きがあった。
 また、4日以上の子は「3時間程度」が最も多かった(25.3%)のに対し、3日以下の子は「2時間程度」が一番多く(24.0%)、4日以上の子の方が勉強時間が長いことがうかがえる。

 B朝食には「やる気」を起こさせる効果がある−−
 学校での授業態度についてみると、「消極的態度」の項目で、朝食回数週3日以下の子の方が、同4日以上の子に比べ「ねむい」で15.5ポイント、「気が散って集中できない」で26.3ポイント、「頭がぼんやりすることが多い」で23.5ポイント、「勉強する気が起こらないことが多い」で35.5ポイント高かった。
 逆に、「積極的態度」の項目では、4日以上の子の方が、「先生の話がよくわかる」で13.8ポイント、「頭がすっきりしている」で7.6ポイント、3日以下の子を上回った。

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3、朝食が生活習慣をつくる

 @朝食を食べない子は夜更かし−−
 平日の就寝時間は、朝食摂取週4日以上の子は「午前0時頃」が最も多かった(25.3%)のに対し、同3日以下の子は「午前1時過ぎ」が一番多く(32.0%)、両者には1時間の開きがあった。朝食を食べない子は夜更かしの傾向があるといえる。

 A朝食を食べている子は体調が良い−−
 健康状態について、週4日以上摂取の子より同3日以下の子の方が、「朝起きられない」で9.3ポイント、「肌が荒れやすい」で8.6ポイント、「下痢しやすい」で11.7ポイント高かった。逆に、「特に問題はない」は、4日以上の子が8.3ポイント上回った。

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4、朝食を食べない子は、イライラしやすい

 @朝食摂取頻度がイライラ度を決める−−
 「あなたはイライラすることがありますか」の問いに、「よくある」が朝食摂取週4日以上の子が23.3%に対し、同3日以下の子は48.0%で、3日以下の方が24.7ポイント高かった。
 逆に、「あまりない」は、4日以上の子が16.4%、3日以下が8.0%で、4日以上が8.4ポイント高かった。朝食摂取頻度が子どものイライラ度に影響を与えていることが考えられる。


5、塾のある日の夕食は要注意、2回食べて翌日の朝食に悪影響

 @塾のある日の2回目の夕食は午後10時台−−
 塾のある日に2回夕食を食べている子にその時刻を聞くと、最も多かった(60.0%)のは、1回目が「午後6時台」、2回目が「午後10時台」だった。塾の休み時間等に1回目をとり、帰宅してから2回目をとっていることが想像できる。

 A2回目の夕食を食べた翌朝は食欲減退−−
 塾翌日の朝食摂取量を聞くと、「ほとんど食べない」が、夕食1回の子が5.6%に対し、2回の子は15.0%で、夕食2回の子の方が9.4ポイント高かった。夕食を2回、しかも2回目は午後10時台ということから、翌朝の食欲減退を招いているといえる。

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