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5大改革を実践し、生産者・消費者の「もっと近くに。」
―― 強い全農を実現するために「中期事業構想」を承認
JA全農第25回臨時総代会(3/27)

経済事業を再編し存在感のある組織に 第25回臨時総代会、全景

 JA全農(全国農業協同組合連合会:大池裕会長)は、3月27日、ホテルパシフィック東京(東京・品川)で第25回臨時総代会を開催し、「中期事業構想」(13〜17年度)と「平成13年度事業計画」などを決めた。
 「中期事業構想」は、27県本部体制となり、さらに来年4月合併を基本とした第3次統合によって本格的な統合連合をスタートさせる新全農が、統合効果を速やかに発揮できる組織・事業体制を整備し、事業環境の変化に迅速に対応するために向こう5年間の戦略と施策を明らかにしたもの。
 その詳細はすでに報じてきたが、「地域農業の振興支援」「販売力・商品開発力の強化」「生産資材コストの低減」「安心・快適な地域社会の創造」「JAグループ経済事業の再構築と収支確立」など新全農の役割・使命を実現するために、「事業改革・業務改革・物流改革・組織改革・意識改革」の5大改革を実践することで、事業価値の創造と信頼される組織の確立をはかり、「組合員・JAに対するメリットの発揮」「合併JAに対する支援・補完機能の発揮」「消費者・取引先からの信頼の獲得」をめざすことを骨子としている。
挨拶をする大池裕会長
挨拶をする大池裕 会長
 大池会長は挨拶のなかで「中期事業構想を着実に実践することによって、競争力のある”強い全農”を実現し、経済事業を通じて会員JA・農家組合員の負託に応える決意」をしている。さらに「平成13年度は、戦後50年を経たJA経済事業を再編し、組合員・JAおよび消費者にとって存在感のある新しい組織を作り上げていく歴史的な第一歩の年であると認識している」「そのため、新生”全農”の発足にあたり、生産者・消費者にもっと近づき、さらに信頼される組織を目指すこととして、”もっと近くに。”を新全農のメッセージとして作成」したと述べた。
 総代会後の記者会見でも、JA全農の新しいメッセージ「もっと近くに。」について、「全農が、生産現場と消費者に近づくことで、前進していきたいという意識改革、行動改革の決意の表れとご理解いただきたい」と大池会長は強調した。

国産農産物の販売強化に積極的に取組む

◆セーフガード発動、集落営農を含めた担い手の確保

 総代会では、3月1日から6日まで、全国7会場で開催された地区別総代会で出された意見や要望に対する全農としての見解・対応策についても報告された。
 そのなかで、輸入農産物の急増や量販店主導型の価格形成によって価格が低迷している国産農産物の販売強化について、要旨次ぎのように述べている。
 まず農政への取組みとしては、「関税率の適正水準設定やミニマムアクセス米数量の大幅縮減、輸入青果物の急増に対するセーフガードの暫定措置も含めた発動などを、JAグループをあげて要請していく」。
 また農水省から提起されている「経営を単位とした農業経営所得安定対策」については、「その内容が農家・組合員の農業経営・所得の安定や生産意欲の向上につながるものとなるよう、JAグループで設置した『経営所得安定対策研究会』を通じて、政府・与党に対して積極的に提案して」いく。
 この取組みにあたっては「農産物価格の低迷が担い手の農業経営を圧迫している現状から、@品目別に実施されている需給調整等の価格政策や経営安定対策の充実・強化、A品目・地域ごとの生産実態をふまえ、集落営農等を含めた担い手の確保・育成につながることをめざす」としている。

◆産地が協調した生産・出荷調整機能の発揮

 また、国産農産物の価格回復と農業所得の向上に向けては、エリア別総合販売体制の構築をはかるなど直販機能の拡充、地産地消や加工用途の開拓、「全農安心システム」の事業化を進めるとともに、「これまで以上に各産地が協調して需給バランスの適正化に取組むとともに、流通段階におけるコストの削減をはかるため」次ぎのような施策に取組むとしている。
 まず「各産地が協調した生産・出荷段階における調整機能の発揮」として、青果物では、重要4品目で実施している緊急需給調整対策に加えて、重要4品目を含む14品目で設置している品目別会議で、時期別・地域別の生産調整対策や消費拡大・販売対策などを協議・策定する。とくに輸入が急増しているトマト・ピーマン・ネギ・タマネギ・生しいたけについては、全中とともに「輸入野菜対策協議会」を新たに設置して、輸入情報の収集・分析、国内産地の生産・流通動向を把握し、課題解決のために必要となる政策・予算を国に要求していく。
 コメについては、「平成12年緊急総合対策」にもとづいた諸施策に取組んでいくが、「今後は、販売にかかる経費の削減、円滑な販売と価格の安定をはかるため、全国的な販売・需給調整対策の構築に向けた検討をすすめて」いく。
 流通コストの削減としては、青果物では、出荷規格の簡素化、直販事業を中心に産地から実需者への直接取引や通いコンテナの普及・拡大などによる物流面での改善。コメでは、バラ流通・定時定型輸送の取組み拡大、稲経などの事務の簡素化など配送体制や業務・事務の合理化・効率化をはかるとしている。


JA全農 21氏を県本部長に任命

 JA全農は、3月27日の臨時総代会終了後、13年3月統合によって新たに誕生した21府県本部の本部長任命式を行った。これによって新たに本部長と21氏は次ぎの通り。
青森県・越田 栄秋氏
山形県・清野 盈夫氏
庄 内・杉山 健二氏
栃木県・小出 昭夫氏
本部長任命式千葉県・鈴木 吉明氏
山梨県・山寺 一寿氏
長野県・柳澤 浩造氏
新潟県・松田 安夫氏
富山県・仕切 義宣氏
石川県・北本 孝也氏
岐阜県・堀尾 茂之氏
三重県・藤田 政比古氏
滋賀県・周防 勝英氏
京都府・永井 菊博氏
大阪府・林  秀宣氏
兵庫県・前場 伸恒氏
岡山県・藤田  猛氏
広島県・佐々木 覺郎氏
高知県・岩川  薫氏
福岡県・福原  逞氏
長崎県・林田  守氏
 なお、県本部長に任命された各氏は4月2日付で参事として登記される。

JA全農 新たに5県連と合併委員会を設置

 JA全農は来年4月の第3次統合で統合を決定した、秋田県連、茨城県連、埼玉県連、佐賀県連、大分県連と合併委員会を設置することを決めた。
 5県連との合併委員会開催の日程は
第1回 4月19日(合同開催)
第2回 9月(県別開催)
第3回 10月18日(合同開催、委員会後、合併契約調印式)
となっている。



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