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手厚い農業支援の継続を要望 −−米国の農家が議会の公聴会で(5/2)


 農産物の安値に苦しむ米国の農家は、来年以降の次期農業法でも引き続き政府の支援が必要であるとの主張を強めている。中でもコメ生産農家は、他の作物よりもコメの生産者コストは高くつくとして、手厚い収入安定対策を求めている。
 JA全中の月刊情報資料「国際農業・食料レター」4月号によると、現行農業法が来年で期限切れとなるため、次期農業法案を検討中の米国議会は、1月から精力的に公聴会を開き、農業団体などから具体的な提案を聴取している。
 米国の穀物農家は、所得補償である直接固定支払いや、短期融資の形をとりながら実質的に価格支持をするマーケットローンなどの補助金をもらっている。
 さらに98年以降は、直接固定支払いに上乗せする緊急追加支払いも実施して価格下落に対応してきた。
 公聴会では、ほとんどの生産者が、次期農業法のもとでも、これらの政府支持を継続するよう求めた。また新たな収入安定対策(セーフティネット)の創設なども要望している。
 これに対し、大統領の2002年度予算提案、上下両院の予算決議はともに生産者の要望を満たす内容にはなっていない。しかし一方で、政府は今後「戦略的予備予算」5000億ドルの中から必要な農業予算を確保するとの方針を明らかにしている。
 また02年には議会の中間選挙、04年には次の大統領選挙があるため、共和党としては結局、現行農業法のもとで膨らんだ農業支持予算を続けることになるだろうとみられている。
 公聴会ではコメ生産者代表が、コメは大規模な灌漑施設を必要とする資本集中型の高コスト作物であり、「主要農産物の中でただ一つ、市場から得られる収入が、生産者コストを下回る品目である」と証言した。 実際に2000年から01年にかけては、農家の生産コスト11億7000万ドルに対して、市場収入は11億5000万ドルにとどまっており、これを政府支払いの14億6000万ドルがサポートする形となっている。
 そしてコメ生産者代表は新たな収入安定対策として00年までの5年間の収入をもとに基準収入単価を計算し、これを下回る収入となった場合には、その差額に平均の作付面積と単収を乗じた数値に相当する金額を補てんするよう求めた。



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