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農政・農協ニュース

肥料価格1.61%引き上げ
3年ぶり、円安が響く(7/11)
対県供給価格(クリックすると別窓で拡大表示されます)
 
 JA全農は平成13肥料年度(7月〜14年6月)の県段階向け供給価格を1.61%(主要14品目加重平均)引き上げると11日発表した。前年度までは2年連続で値下げしたが、今回は円安が響いて3年ぶりの値上げとなった。
 農家負担を軽減するため全農は、低コスト品目の目玉である「アラジン」など輸入肥料価格の据え置きをはかる。これにより大規模農家や農業生産法人向けは直送条件などの機能別価格によって、国産の同成分銘柄に比べ最大で3割程度は割安にできるという。
 例年は6月中旬までに肥料メーカーとの価格交渉が決着していたが、今年は大幅な需要減による固定費の増加などから、メーカーの値上げ要求が強く、さらに原料価格に影響する円安の進行で、各社との個別交渉は7月にもつれ込んだ。
 値上げ率が大きい品目は塩加が5.94%でトン当たり2200円、硫加が5.74%で2900円、高度化成が1.63%で1050円、硫安は1.26%で300円、尿素と塩安は1.23%で500円と350円などとなった。
 13肥料年度の為替の折り込みレートは121円を設定した。リン鉱石や加里など全農が輸入している海外原料価格は、各山元の値上げ要求を受けて交渉中だが、全農は国内諸掛の圧縮とリスク負担で、リン鉱石は若干の値下げ、加里は据え置いた。
 一方、全農は「JAグループ生産資材費用低減運動」を推進するため、アラジンなど輸入肥料の価格を据え置き、10トン満車とか輸入基地に近い所では農家が引き取りにくるなどの直送条件による機能別価格を設定して、担い手の生産コスト低減を支援する。
 従来、アラジンは国産の同成分銘柄より2割の低価格だったが、13肥料年度は3割程度の割安となる。
 園芸用低コスト銘柄であるヨーロッパ化成S604の価格も据え置いた。
 なお12年度のアラジン供給量は9万トン弱で前年度より11%伸びたが、今年度は約12万6000トンを目ざす。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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