JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

「国際化」が一つの焦点 来年の農業白書で議論(7/12)
 世界貿易機関(WTO)農業交渉や、中国のWTO加盟などをにらんで「農業白書にも英語版が必要ではないか」とか、食糧危機や次世代との共生を考えると「子供版も必要だ」などの意見が12日開いた農水省の「食料・農業・農村政策審議会」施策部会で出た。部会は来年4月に出す13年度白書の作成方向を検討する機関だ。  昨年も同じような意見が出たため農水省は今年4月の12年度白書についてはその概要だけを英語版と子供版にする作業を進め、近く出版する。
 学校教育では小学5年生で農業を学習するため、その副読本に使えるように編集した。また英語版はホームページにもアップした。来年も概要にするか、どうかは今後検討する。
 12年度白書は、新しい基本法の制定に至るまで40年間の日本農業と農政の経過を巻頭特集したのが特徴だった。
 部会長の今村奈良臣・日本女子大教授は「これが学生たちに好評だった」として、来年の白書も巻頭特集を企画し、テーマは「わが国農業の国際化の推移」にしてはどうかと提言した。これはWTO農業交渉などを視野に入れた意見だ。
 このほか各委員からの意見では▽食品産業のウエイトがますます高まっているが、農水省の「食生活の指針」との間に矛盾はないのか分析が必要▽担い手対策では、もうかる農業の指針を示してはどうか▽白書を身近に感じさせるため地域農業の特性を分析すればどうか▽専門用語はなるべく使わないようにすべきだ、などが出た。
 この日の部会は、農水省が示した「14年度で講じる食料・農業・農村施策」作成の基本的考え方などを了承した。次回は、8月末の予算概算要求について意見を聞く予定。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp