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農政・農協ニュース

3万1000ヘクタールで「青刈り」実施へ
―― 第3回作柄部会で決定(8/6)
 「米の需給・価格情報に関する委員会」(JA全中、JA全農などで構成)は8月6日、第3回作柄部会を開き、豊作が見込まれる場合に青刈りなどを実施することになっている「需給調整水田」の発動を決めた。対象は沖縄県を除く全都道府県。

 同日の作柄部会では、7月15日現在の13年産水稲の生育情報と農水省、JA全中、全農が実施した14道県の現地調査をもとに検討した。その結果、このまま推移すれば「全国的には平年作を上回るとともに、県別でもすべての都道府県で平年作以上となる可能性が高い」と判断し発動を決めた。

 13年産米は需給改善をはかるため、101万ヘクタールの生産調整に取り組んでいるが、昨年決まった「緊急総合米対策」では豊作が見込まれる場合の需給均衡対策として、さらに5万ヘクタール(作況3ポイント、25万トン程度に相当)の需給調整水田を設けることを決めていた。このうち、1万9000ヘクタールはすでに麦、大豆などの作付けが行われているため、今回の発動で青刈りの対象となるのは全国で3万1000ヘクタールとなる。

 JA全中は、作柄部会の決定を受けて7日に全国の県中央会に通知し各県で推進をはかる。国の助成金は10アール4万円から8万3000円。そのほか生産者が10アールあたり1500円拠出した基金から10アール2万円が助成される。今回の実施期間は、8日から31日まで。この期間の青刈りが助成の対象となる。

 豊作となった場合の需給均衡策としては、飼料用処理、調整保管などがあるが、「“米粒”の状態になってからの対策では市場の反応が鈍い」(JA全中)ことから、今年から青刈りを実施する仕組みを導入した。対象面積すべてで実施されると約15万トンの米が収穫前に“消える”ことになり需給改善効果が期待される。

 武部農林水産大臣は、7日の記者会見で「この結論は、作柄部会で十分に検討して出されたもの。生産者や農業団体は十分に理解して米の需給均衡に向けて需給調整水田に着実に取りくんでいただきたい。行政としても推進活動を支援していきたい」と語った。


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