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農政・農協ニュース

認定農業者を基本に施策を集中
―― 農水省の経営政策 (8/21)
 農水省は8月21日に開かれた第7回「農業経営政策に関する研究会」に経営政策の「取りまとめ案」を示した。
 同案では、今後の経営政策の見直しや再編の基本的視点を「育成すべき農業経営への施策の集中化・重点化による構造改革の推進」とした。
 わが国には多様な農業経営が存在するが、同案ではこの「育成すべき農業経営」を「食料自給率の向上を基本とした食料の安定供給を中心的に担う経営体」と定義。具体的には「認定農業者のいる農業経営」を基本とする考え方を示した。
 これは、認定農業者が市町村が策定する「効率的かつ安定的な農業経営の指標」をめざして意欲をもって経営改善に取り組む農業者だとの考えからだ。
 ただし、現行の認定農業者制度には市町村によって認定基準にばらつきがあるなどの指摘もあるため、今後、制度の検証や見直しを行うとした。
 また、「集落営農」(集落を単位とした集団的営農)を育成すべき農業経営の対象とするかどうかについては、その構成員には農業所得への依存度が高くないものも含まれることから対象にすると「構造改革に支障を来す懸念」もあるとの考え方がある一方、効率的営農や高付加価値化などによって他産業並みの所得をめざしている農業者もいるとの意見もあることを併記し、「その取り扱いを検討する必要がある」と今後の課題とした。

 焦点となっている「経営所得安定対策」については、その基本的考え方を、農産物価格の変動が育成すべき農業経営の収入や所得に著しい影響を与える場合に備え、経営リスクを軽減するセーフティネットであると規定。
 具体的な仕組みとしては、「直接支払いのような措置ではなく」、加入者の拠出を前提とした収入や所得の変動を緩和する仕組みが適当とした。
 そして方式としては「保険方式」を基本に「積み立て方式」を含めて検討し、農業者の意向の把握や制度設計に必要な調査を実施するとした。
 また、加入対象としては米の生産調整など「当面、需給調整が適切に実施されていることが前提となる」とし、とくに水田営農での導入が必要との考え方を示した。
 この日の研究会では農水省が示した取りまとめ案をめぐって委員が議論した。
 認定農業者を育成すべき担い手の基本とすることについては「資質があるのかどうか。地域から選ばれた農業者という面もあるが、地域差もある」、「認定農業者への消費者などによるモニタリングも必要」などの意見が出た。
 また、経営所得安定対策については「農業者の創意工夫が発揮できるようにとの政策であるのに、需給調整の実施を前提とするのは矛盾」との意見がある一方、「生産カルテルに従ったグループに対してリスクを減らす対策。需給調整実施を前提とするのは論理的に明解」との意見があった。
 また、水田営農に加え「北海道のような輪作を維持した大規模畑作にも導入すべき」との意見や「現行の政策との重複部分を見直して2階建ての政策として仕組むべき」などの声もあった。
 これらの意見も踏まえ、30日に最終的な報告を決める。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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