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農政・農協ニュース

コメ政策抜本見直しへ
農水省が農業構造改革で重点プラン(8/30)
 効率的で安定的な経営体40万ほどが農業生産の大部分を担うという農業構造を10年後に確立する目標を掲げた政策推進方策を30日、農水省が発表した。小泉内閣の「骨太の方針」を受けた具体策だ。名称は「食料の安定供給と美しい国づくりに向けた重点プラン」。武部勤農相の「武部私案」で示した方向をベースに、予算や制度の見直しなどを盛り込んでいる。

 ☆一律的施策はやめる☆
 これによると、今後10年程度で食料自給率を45%に引き上げるために農業の構造改革を進め、22年には40万程度の経営体を中心とする構造にする。
 内訳は家族農業経営を33〜37万、法人・生産組織を3〜4万と見た。
 また、これまでのような零細農家を引っくるめた一律的な施策はやめる。
 「予算のばらまきという批判があるからだ」(大臣官房企画評価課)。施策をできる限り「集中化・重点化する」(武部農相)手法で家族経営の規模拡大や、法人化などを支援する。これは農業政策を産業政策と位置づける考え方だ。
 構造改革を通じ効率的な食料の安定供給システムを構築するが、その主役は認定農業者のいる「意欲と能力のある経営体」で、これを「育成すべき農業経営」とする。
 一方、集落を1つの農場として一括管理・運営する集落営農にも適切な措置を講じるとした。
 それ以外の農家は(1)「育成すべき経営体」のサポートと、農業資源の維持管理で一定の役割を担う農業(2)健康と生きがいのための農業−−と位置づけて、施策を講じる。

 ☆先端的経営を育成☆
 施策別に重点プランをみると、土地利用型農業を中心とした構造改革を進めるため地域農業構造改革緊急対策を実施する。その中の「アグリ・チャレンジャー支援」という事業では、革新的な技術を活用した加工と流通に挑戦する先端的な経営を育成する。また高齢農家や兼業農家の多い地域では、地域農業の「サポーター機能」を発揮する農業法人を育成する。
 さらに、食品産業などと連携した供給体制の整備と、都市住民などからの資金調達を円滑にする手法の確立など民間ノウハウを活用した高付加価値化を進める。
 制度資金は担い手にとって使いやすい体系とし、また農業法人への出資促進の措置などは次期通常国会に法案を提出する予定。

 ☆野菜安定制度見直し☆
 品目別ではコメと野菜などで構造改革を重点実施する。コメは主業農家の生産シェアが36%で、他の品目に比べ構造改革が遅れている。このためコメ政策を総合的、抜本的に見直す。
 その1つとして、水田農業地域が個性的に競争力を強化する取り組みを実施し、また効率的な流通を行う産地を機動的に支援するシステムを構築する。
 セーフガードの暫定措置発動に至った野菜などは、輸入農産物との競争に勝ち残っていくため、流通面にわたる改革に取り組む。
 具体的施策としては、産地ごとに構造改革計画を策定し、来年度は▽機械▽施設▽生産基盤の整備など集中的な構造改革対策を実施する。また、コールドチェーンシステムの確立と情報技術(IT)の活用により流通の高度化を進める。
 野菜生産出荷安定制度の見直しでは、契約取引を対象に加える。
 また、構造改革施策の中には経営所得安定対策の導入などがある。
 重点プランは(1)構造改革(2)農産漁村の新たな可能性の創出(3)新たな森林・林業政策と水産政策の展開(4)環境問題への対応、科学技術・ITなどの重点的推進という4本柱からなる。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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