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農政・農協ニュース

第一号の利用者迎え
JA全農が緊急救護で安心生活支援サービス
−−高齢者向け新規事業

  JA全農は「JAあんしんコールサービス」という新規事業を開始した。サービスには緊急通報、火災警報、健康管理の3種類がある。うち、急病やケガなどの場合、腕時計のボタンを押せば救護が受けられるという高齢者向けの緊急通報サービス事業が3日、第一号の利用者を迎えた。
 佐賀県・JA伊万里市の中尾八千代さん(72)で、夫繁一さん(76)とともに元気で農業を営んでいるが、成人した子供が近所にいないこと、八千代さんの健康にやや不安があるとのことで加入したという。
 緊急通報の発信器は腕時計との兼用で、防水と防圧の機能つき。このため「お風呂でも使えるから、便利ですし、体に異常があった時は、素早く処置をしてもらえるから安心」というのが八千代さんの話。
 利用者は普通よりぐんと小さな専用電話機を屋内に置く。そこから約50メートル以内なら、屋外にいても、腕時計のボタンを押せば専用電話機を通じて自動的に緊急通報が「JAあんしんコールセンター」(埼玉県川口市)に届く。
 センターには、看護婦が24時間待機していて利用者の状況に即応しながら、最寄りの協力員や救急車に出動を要請する仕組みだ。
 利用者は、前もって近所の親しい人に協力員になってもらうよう頼んでおく。JA支所などの職員に依頼するという方法も可能だ。
 この仕組みは、高齢者に限らず、一人暮らしの人の緊急時にも役立つ。すでにガス会社など民間企業の事業化や行政サービスもあるが、自治体には予算枠のため加入の順番を待つ人もいる。また、独居老人だけといった適用制限もある。
 このためJA伊万里の第一号に次いで全国のJAが取り組みを始めた。利用料は一カ月2900円。
 この事業は、電話発信機能つきガスメーター管理の保安ネットワーク(NCU)を活用したもので、LPガスを扱う全農の場合、自動車燃料部ライフネット課の新しい取り組みだ。
 今後は、火災センサーが出火をいち早く察知して消火につなげる火災警報サービスと、またNCUとは別のシステムによる健康管理サービスの普及を急ぐ。
 後者は、各家庭の健康データ測定器で毎日、血圧・脈拍・心電図を測ると、そのデータが自動的にJAあんしんコールセンターのコンピューターに送られ、看護婦や医師がチェック・診断し、指導やアドバイスをするサービスだ。病気の予防と早期発見に役立つ。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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