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農政・農協ニュース

入庫した時の米の品質を維持することの大切さを学ぶ
―13年度農業倉庫保管管理技術研修会開催される (11/15〜16)

 JAグループの米麦共同販売の基盤となる重要施設でる農業倉庫は、いま全国に約9000棟、その収容能力は683万トンある。最近のコメの需給事情もあり、産地では倉庫の大型化や低温化が進んできているが、依然として小規模な常温倉庫が多く、準低温倉庫を含めた低温化率は約47%だ。
 一方で、消費者サイドでは年間を通じた高品質米志向が強まり、かつてのような「精米してあればなんでもいい」という時代は終り一般食品と同じ視点から、品質や安全性が問われる時代となっている。
 そうしたなかで、専任の倉庫担当者を設置できないなど、保管管理体制の脆弱化もみられ、自主保管管理の強化と保管管理技術の向上が農業倉庫業務の急務となってきている。
 そこで、JA全農と(財)農業倉庫基金受寄物損害補償基金(農倉基金)は、毎年、「農業倉庫保管管理技術研修会」を全国のJA・経済連・全農県本部の担当者を集め、実施している。
 今年も全国4会場での開催を予定しているが、11月15、16日の両日、その先頭をきって「東日本1(北海道・東北)地区」の研修会が、山形県天童市で60名が参加して行われた。
 その内容は、
 1.最近の米情勢と今後の米政策について(嵯峨宏通全農米穀販売部集荷対策課審査役)、2.農業倉庫における米麦品質管理の基礎知識(古村勝一農倉基金指導部長)、3.ネズミの生態と駆除(松浦禎之日本ペストコロジー学会会員)、4.貯蔵穀物害虫と防除(山田真之国際衛生技術研究所員)、5.農業倉庫業法の概要と農業倉庫の業務(森谷昌道農倉基金事務局長)、6.需要者の求める米・嫌がる米(森永裕之全農パールライス東日本品質管理室長代理)、7.農業倉庫受寄物損害補償制度について(中原信弘農倉基金業務部次長)。
 そして2日目の最後に、JA新庄市の雪を活用した農業倉庫「ゆきむろ新庄かむろ倉庫」を視察し全日程を終えた。
 ハードなスケジュールではあったが、「入庫した米を品質変化させないように保管管理することの重要性を認識した」とある参加者が語ったように、意義ある2日間だったといえる。
 なお、今後の予定は、
11月21-22日 東日本2地区(関東・甲信越) 埼玉県大宮
11月29-30日 中日本地区(東海・北陸・近畿・中国・四国) 兵庫県神戸市
12月6-7日 西日本地区(九州) 熊本県熊本市
となっている。



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