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農政・農協ニュース

BSE関連ニュース (11/21〜11/30)

◆全頭検査で2例目が確認
 11月21日、国内で2頭目の牛海綿状脳症(BSE)患畜の発生が確認された。
 この患畜は北海道猿払村の酪農家から出荷された5歳7か月の雌のホルスタインで、自家出産。出荷までに3産している。廃用牛として出荷されたがBSEに特有の神経症状などは認められていない。また、1頭めが確認された後の9月の全国全頭検査でも異常はなかった。
 猿払村の同農場から出荷された牛は293頭で、このうち34頭が道外に出荷され、うち2頭は宮崎県で生存していることが確認された。
 1頭め、2頭めとも平成8年(1996年)の3月から4月に北海道で生まれたことになる。農水省の調査では、1頭めと2頭めに共通して使用された配合飼料は2品目、補助飼料は1品目となっている。これらの飼料には肉骨粉は使用されていないが、製造ラインでの混入が完全に否定できない工場もあり調査を進めている。ただ、この2頭の感染源が別であったことも考えられるため、2頭めの感染ルートはその他の可能性も念頭において調査されている。

◆5129頭を買い上げ焼却

 農水省は、11月26日、肉骨粉などを給与されていたことが判明した、15道県、165戸の生産者で飼育されている5129頭の牛について、時価で買い上げて焼却処分する方針を決めた。
 生産者の同意を得て搾乳終了後の廃用の時点でと殺、BSE検査を行ってデータを収集する。都道府県の衛生指導協会が買い上げ国が助成する方法をとる。

◆イタリア 肉骨粉加熱せず輸出の可能性も?

 11月30日、農水省はBSEの感染経路調査の中間報告をまとめた。このうち輸入肉骨粉についてイタリアからは1995年から輸入が増えた。イタリア政府は加熱基準を満たしていると回答していたが、農水省の調査では、98年6月になるまで日本向け製造工場に加熱器がなかったことが分かった。このため98年6月以前に輸入された肉骨粉は国際基準を満たしていなかった可能性が明らかになった。95年から97年には同国から21トン〜105トン、98年以降は、5222トン〜2万8857トンが輸入されている。




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