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農政・農協ニュース

「安心システム」11産地に拡大
大会決議の実践状況を公表−−JA全中 (1/17)

 1昨年10月の第22回JA全国大会決議に基づく「行動計画」の実践状況(13年10〜12月)が1月17日のJA全中の理事会で報告された。
 大会決議では、15年度までにすべてのJAで自給率向上・有利販売による所得向上にむけた「地域農業戦略」を策定することになっているが、この期間には、全JAでチェックリストに基づく総点検運動を実施した。これをもとにJAの営農指導を評価し、未策定JAの解消と戦略の重点化を実施。また、営農指導に関わる個別指導(営農版JASMIC)を2JA(JA菊池、JAくにびき)で実施した。
 大規模農家や生産法人との連携を強化するために、全県で担い手対応専任部署を設置することになっているが、この期間に13県連、県本部から16に拡大している。このうち7県(茨城、栃木、埼玉、千葉、福島、宮城、兵庫)では具体的な活動を開始し、これまでJAの事業を未利用だった生産法人のなかで、6つが取引を開始するという実績が出ている。

◆既存6産地は更新を実現

 JAグループの国産農畜産物の認証制度「全農安心システム」は、6産地10工場から11産地10工場に拡大した。
 これまでに牛肉(宗谷岬肉牛牧場)、米(JAあきた北央、JAみやぎ仙南、JA加美よつば、JA古川)、お茶(JAふくおか八女)が産地認証され、関連する10加工場も認証を取得していた。
 安心システムの認証有効期間は1年となっているが、10〜12月に期間にこれらの6産地10工場の認証が更新、継続された。
 さらにこれに加えて、新たにJAあきた北央(森吉地区、品種は「あきたこまち」)、JA岩手ふるさと、JA岩手南(いずれも品種は「ひとめぼれ」)、JA常総ひかり(八千代地区と千代川地区、品種は「こしひかり」)の5産地が産地認証された。取引先は、生協、量販店、コンビニエンスストア、NB商品となっている。
 また、生産履歴のデータベース化の検討も行われ14年度から実施されることになっているほか、取引先ホームページでの情報開示を実施した。
 国産農産物の電子商取引の実施も課題となっていたが、昨年10月にはJA全農がJAグループ初のインターネット商店街「JAタウン」を開設。「もっと近くに美しいニッポン」をテーマに全国の特徴ある農畜産物を提供している。12月末までの売上実績は約1000万円となった。
 生産資材コストの低減のため、ロットや配送形態を加味した価格体系の設定も課題となっているが、この期間に農薬の大型規格品の普及推進を行った。具体的には「ラウンドアップ」5L〜20Lで、普及率は21%となっている。5L品で基準品(500mL)より28%割安だ。
 また、国産の同等品の通常価格よりも30%程度割安となる「アラジン」10トン車単位直行の取り組みでは、4県で342トンの実績となった。広域配送拠点の整備は、12年度末では20拠点となっていたが、今年度末までに、新たに栃木、新潟、広島(2カ所)、兵庫(2カ所)の7拠点が設置される。
 JA大会決議の着実な実践が求められるが、「行動計画」の進捗を管理するため、農業者やJA組合長などから構成されるJA改革推進会議が設置され、その第1回会合が1月28日に開かれる。なお、大会決議の実践状況は3カ月ごとに公表される。


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