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農政・農協ニュース

JAへの期待こめて改革加速へ批判続出
公開で「推進会議」、大胆に本音集める−−JA全中 (1/28)

 JA全中は「JA改革推進会議」を28日開き、原田睦民会長は「組合員がメリットを実感できる改革に向けて農業第一線の声を聞きたい」と目的を述べた。議論では、担い手の委員から「JAは組合員のためではなくて、JAを守るために事業をやっているように見える」と運営の現状に手厳しい批判が出る一方で、JA組合長の委員らからは「組合長のリーダーシツプがあれば改革課題の多くは実行できる。できない組合長はやめさせたらよい」と過激な?意見も出て「大胆な改革が求められている」との認識で一致した。

 議長の今村奈良臣日本女子大教授(東大名誉教授)は「組合員の農協離れがいわれていたが、合併が進むにつれて、農協の組合員離れも起きている。今日の初会合は遅きに失した感がある」と苦言を交えて「本音で議論をしてほしい」と委員たちに要望した。
 委員は担い手農業者(青年・女性部代表を含む)12人と組合長6人に有識者を加えて計19人。
 議論では法人(JA組合員)委員が「数年前、うちの利益が前年比で4分の1に落ち込んだ時、JAは融資を3分の1に減らしてきた。30年間もJAと付き合ってきた信用を無視された形だ。しかし、地銀がJAより低利で貸してくれたので助かった」とJA金融の守りの姿勢をついた。
 また「JA扱いで商系の安い生産資材を仕入れてほしいと頼んだところ、それに応えてくれたJA職員が左遷された。さらに、うちの計画外米を販売してくれた課長も左遷され、後任には販売の未経験者が来た」と法人アレルギー?を残すJAの実態をぶちまけた。
 この体験談にショックを受けた組合長の委員は「人事も組合員の立場で考えないと合併JAの農協離れが加速する」「JAは内部批判の少ない組織。もっと批判を起こし、建て前と本音のギャップを縮めて改革のスピードを上げなければ」などの意見が出た。
 「特別栽培米を作り始めた当時、経済連から、ぼろくそにいわれた。組合員の新しい試みをマネージメントするのがJAの役目ではないか」など連合会批判をこめた発言もあった。
 開かれたJAになるためには▽組合長や理事の選出が順番制ではダメ▽役員会を公開制にすべし▽消費者にわかる言葉で情報の発信を▽国民にわかりやすい組織にしよう、などの提言があり、また「JAグループはPRが下手だ。例えばBSE問題などの対応で新聞広告を出しても、補助金ほしさに宣伝しているのではないか、と誤解されたりもする」などの声もあった。

 営農指導では「肥料や農薬の新製品を推進する購買面の指導に変質している」との痛烈な指摘や「良質米を作るために田植え時期を遅らせると収量が下がる。だから強力な指導体制が求められるが、JAはそれをやらない」などの発言があり、消費者の声を農家に届けていないJAの問題点も改めて浮かび上がった。
 さらに、法人の委員は「転作麦の種子をJAに大量発注したところ、かぎつけた商系が関連資材の売り込みに、うちへ殺到したが、JAは全く動かない。そこでJAにも関連資材の見積書を出すように求めたが、種子の袋に鉛筆書きした予定価格しか示さなかった」と語り、「いったいJAには競争意識があるのかどうか」との疑問を投げかけた。

 一方、女性の委員は「営農指導員が販売に積極的になった。しかし、中央から来た消費地の情報が指導員の机にとまっていて、農家には届いていない。自分あての情報ではないという意識がないのではないか」と意識改革を強調した。
 改革の進展を点検する会議だけに問題点の指摘が多かったが、その手厳しさはJAに対する熱い思いや期待と表裏一体だった。
 また、組合長の委員らによる着実な取り組み事例も多面的な目配りで報告され、今後の改革推進への決意がみなぎっていた。
 なお、この会議は東京・大手町のJAビルに全国連の幹部も出席して公開で行われるという画期的な形だった。次回は5月の予定。


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