JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

改革者として挑戦めざす
チェンジ・アンド・チャレンジ JAユース2002
−−第48回JA全国青年大会開催 (2/7〜8)

 全国農協青年組織協議会は、2月7、8日に東京・日比谷公会堂で第48回JA全国青年大会を開いた。メインスローガンは「チェンジ・アンド・チャレンジ JAユース2002」。参加した約1000人の盟友は、新しい世紀の地域農業の担い手として、食料自給率の向上や農村活性化の実現をめざし、青年部が先頭に立って改革に挑戦することを誓った。

大仁田厚氏
大会には、プロレスラーで参議院議員の大仁田厚氏が急きょ駆けつけ「農業なくしてこの国はない」と盟友を激励。大仁田氏とともに参加者全員「ファイアー!」と叫び大会を締めくくった

 開会のあいさつで谷則男会長は、BSE(牛海綿状脳症)の発生により、全国の畜産・酪農が危機的な打撃を受けていることや、セーフガード本発動の回避、米政策の抜本的な見直しなど、今年度は多くの課題がつぎつぎと青年農業者に突きつけられたことを強調。 「みなさんにはすっきりして大会に来ていただきたかったが、今年は諸々の課題を残したまま。改革は現場の理解と納得が必要。時代にあった農政運動を展開し、一致団結してあらゆる困難を乗り超えよう」と訴えた。
 来賓としてあいさつした原田睦民JA全中会長は「青年部のみなさんの溢れるエネルギーと無限の可能性で農の未来を切り開き、みなさんの子どもや孫の世代まで安心して暮らせる時代を築き上げていってほしい」と激励した。
 また、日本生活協同組合連合会の藤岡常務は、BSE問題で食品の不正表示が明らかになったことに触れ「生産者ばかりか消費者も欺くもの。顔と暮らしの見える関係を求めたJAと生協の産直は4000億円の事業になった。ともに手を携えていきましょう」とあいさつした。

会場内

 2日めの朝は、盟友による恒例の1分間スピーチが行われたが、今年は畜産・酪農の現状を訴える声が多かった。「販売価格が下がりぎりぎりの経営。エサ代が高くても牛のエサを減らすわけにはいかない。しかし、絶対に生き残ってみせる。必ずいいことはある」などの声が相次いだ。
 国産牛肉を食べて、とアピールするパネルを身につけて大会に参加したのは、佐賀県のJA佐城青年部の荒谷武彦さん。 両親と和牛の繁殖を行っている。昨年初めは、子牛の販売価格は1頭40万円程度だったが、今は16万円程度に落ち込んでいるという。
荒谷武さん
1分間スピーチで畜産農家の現状を訴える佐賀県の荒谷武さん
 「羽田から会場までずっとこの格好で歩いてきた。自分は話すのが苦手なのでこんな格好でアピールできればと。『自分も佐賀出身、がんばって』と声をかけられました」と話していた。
 全国消費者団体連絡会や主婦連合会など消費者団体も参加、「食品には本当に中身が分かるもの、信頼性が求められいます。私たちの願いが届きやすい関係をつくりましょう」などエールを送った。
 2日めに採択された大会宣言ではBSE発生による打撃やセーフガード本発動の回避について「強い憤りを禁じ得ない」と盟友の気持ちを厳しく表明、そのうえで「消費者から支持される安心で安全な農産物づくり、輸入農産物に負けない産地・JAづくりに青年部が先頭に立ち果敢に取り組む」ことなど強調した。

◆消費者に農業理解広める運動を強化

 JA全青協は、このところ政策提言活動や消費者への農業理解を広める運動に力を入れている。
 昨年は、7月にJR東日本の輸入冷凍弁当販売に抗議し、国産農産物への支持を訴える街頭宣伝活動を始め、年末にはセーフガード問題で日本農業の振興の大切さをアピールする街宣活動も行った。
 また、BSE問題では、経営に苦しむ畜産・酪農の現場の実態と安全性を理解してもらうため秋の全国消費者大会に参加しアピールしたほか、独自の取り組み「大好き! すき焼きキャンペーン」を展開、国産牛肉だけでなくセーフガード3品目も含めた消費拡大運動を行ってきている。学校給食で牛肉や乳製品の使用を中止している自治体にその撤回を求める活動にも取り組んでいる。
 政策提言活動では、とくにBSE問題で畜産農家への万全の経営対策のほか、中長期的な政策を見据えて昨年11月に「明日の畜産を語る会」を開催、農水省と意見交換を行った。また、新たな経営政策の確立に向けては、JA全中に全青協として提言も行っている。このほか、今後本格化する米政策の見直し問題では、1月に発足した生産調整に関する研究会に門傳副会長が委員として参加、これから議論の場に全青協の考えや現場の意向を反映させていく。
■    ■    ■
 一方、JA青年部組織の活性化に向けて、「青年部自らが組織の変革者として挑戦する」という方針のもと、情報ネットワークの構築、組織化率の向上、JA経営参画などを中心にした3か年計画に13年度から取り組んでいる。
 情報ネットワークの構築は、全国、都道府県、各JA青年部のそれぞれの情報提供機能強化が目的。Eメールによる全国連絡体制の整備やJA青年部レベルでのホームページ開設などを主眼にしている。
 今大会の活動実績発表でも、青年部のホームページ開設により、部員どうしの情報交換や営農技術の向上、さらには地域農業づくりに消費者の理解と参加が得られたなどの実績を上げているとの報告が目立った。
 JA経営の参画では、総代に占める青年部員の割合向上、経営管理委員会の導入と青年部代表の就任などで具体的な目標数値を掲げて取り組んでいる。全国連では、経営管理委員会の導入が制度化されたが、なかでも今年夏に設置されるJA全農の経営管理委員会には、青年部枠が設けられることになった。
 また、JA改革を促進するため、1月に第1回のJA改革推進会議が開催されたが、同会議の委員には谷則男会長も就任している。

◆思いや願いをもっと声に!

吉田義広さん
「青年の主張全国大会」で全中会長賞を受賞したJA道央江別青年部の吉田義広さん

 今大会で、JA青年の主張JA全中会長賞を受賞したのは、北海道のJA道央江別青年部の吉田義広さんの「生産の喜びを求めて」。
 転作面積が増えたため、吉田さんは思い切って白菜づくりを手がける。しかし、価格の低迷で大半を畑にすき込むことに。
 くやしい思いと同時に「自分は何をいちばん望んでいるのか」と問い、生産の喜びを知り、それが生活の豊かさに結びつくことを望んでいるのだと思う。その実現のためには、自分が丹精込めてつくったものなのだから、自信をもって消費者に届けるべきだったと考えた。
 「消費者に輸入野菜を食べてもらうのと自分たちが作ったものを食べてもらうのでは意味合いがまったく違う」。目先の利益にとらわれ消費者ニーズに応えるばかりで、自分たちの生産能力を落としていくようではいけない。これだけの努力をしているのだからこの価格になると提示し理解してもらう努力も必要だ、などと吉田さんは訴え、「自分の考えや生産に寄せる熱い思いをもっと自信をもって声に出していこう」と主張した。
 JA青年組織活動の実績発表で千石興太郎記念賞を受賞したのは、熊本県のJAやつしろ青壮年部太田郷総支部の「イ草ランド復活への取り組み」。
 セーフガード発動対象品目になったイ草だが、同青壮年部は、中国への視察、日本国内での流通、販売現場の視察を行い、生産、加工、販売の徹底的な見直しに取り組む。生産面では新品種の導入、土壌分析などを行った。
 また、畳文化のPR活動にも力を入れ、「全国の学校に畳教室を」をスローガンにした運動を展開し、文部省が全国の小中学校の空き教室を和室に転換する方針を打ち出すという成果を引き出した。発表者の吉川秀文さんは「畳のある部屋は豊かな心を育てる。私たちの作った畳の上で子どもたちが温かい心を育んでくれるよう、これからもがんばります」と結んだ。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp