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農政・農協ニュース

無登録農薬の販売で立ち入り検査――農水省(3/4)

 農水省は2月末から3月にかけて三重・津市の「ゆうき大地の会」などが無登録農薬を販売していた件について立ち入り調査を行い、製品回収などを指示した。3月4日、同省生産局生産資材課は「無登録農薬の販売に対する農薬取締法に基づく立入検査の結果について」を発表した。概要は次のとおり。

1.背景――
 2月27日夜、岐阜県からの連絡で、殺虫剤を宣伝しながら農薬登録を受けていない資材が販売され、岐阜県の農家で使用されていたとの情報が得られた。翌8日、同県から同資材に殺虫剤のMEP(フェニトロチオン)が混入していたとの報告があった。

2.農水省の対応――
 無登録農薬の製造・販売は農薬取締法第2条第1項に違反するので、次の対応を講じた。
(1)3月1日、担当官2名が同資材の製造・販売業者「ゆうき大地の会(三重生産市場)」(三重・津市)及び原料の製造業者(愛知県)を立ち入り検査した。
 (2)同日、兵庫県に、岐阜の農家が問題の資材を購入した山光農材(神戸市)への立入検査を依頼した。
 (3)3月3日、同省担当官3名が再度、原料の製造業者に事情聴取した。

3.これまでの検査結果――
 (1)3月1日、「ゆうき大地の会」の代表は、同会が扱っている「すこやかくん」「よぼうくん」「はえないくん」について、農薬登録を受けずに薬効を謳って販売している事実を認め、回収指導を受け入れ、同会の契約栽培農家及び同会の販売代理店(大阪府)に対する回収を指示した。また、資材を購入・販売していた山光農材も兵庫県の立入検査で回収指導を受け入れた。
 (2)検査で集取したいくつかの資材をMEPの定性分析をしたところ、「すこやかくん」のみからMEPが検出された。しかし、同製品の製造、販売のどの段階で混入されたか特定されていない。
 (3)「すこやかくん」は販売代理店(大阪府)を通じて山光農材へ販売されているほか、「ゆうき大地の会」から同会の契約栽培農家にも提供されていた。
 (4)同会から3月4日、3月2〜3日で同会の契約栽培農家にあったものはほぼ回収され、販売ルートに乗ったものの回収も進めているとの報告があった。

4.今後の対応――
 (1)販売代理店(大阪府)へ立入検査し、「すこやかくん」等の販売先の特定と回収指導を強化する。
 (2)「すこやかくん」の定量分析及び製造業者から集取した製品の分析をすすめ、MEPの混入段階を特定する。
 (3)情報がまとまり次第、随時状況を公表するとともに、販売先の各県に対し「すこやかくん」にMEPが混入していることを注意喚起する。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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