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農政・農協ニュース

農政の大胆な見直しを強調
13年度「白書」閣議了承 (5/17)

 政府は5月17日の閣議で13年度の「食料・農業・農村白書」を閣議で了承した。
 白書のサブタイトルは「農場と食卓、農村と都市の架け橋を目指して」。冒頭からわが国初のBSE発生に対する行政の対応を解説。全頭検査による安全な牛肉供給体制を構築したことなどの経過を紹介する一方、BSE問題調査検討委員会の報告が危機意識の欠如、消費者保護軽視など厳しく指摘したことを、「農水省組織全体として姿勢を正すことが必要」とした。そのうえで、委員会報告と小泉首相の指示をふまえて、農林水産政策の軸足を消費者サイドに大きく移す「大胆な見直し、改革を断行する」と報告している。
 食品の安全確保に関する具体的策としては、生産情報の提供による消費者と生産者の「顔の見える関係」の確立やIT技術の活用によるトレーサビリティ・システムの導入の重要性を指摘した。また、消費者理解を広めるため「リスク分析」の実施を検討する必要性も挙げている。
 農業については、「構造改革を通じた持続的な発展」を強調。育成すべき農業経営が、経営の革新に取り組める環境を整備し、農業の構造改革を推進することが「重要かつ緊急の課題」と訴えている。
 13年度の総農家戸数は307万戸でうち販売農家は229万戸。主業農家や準主業農家がここ10年間減少傾向にあるが、副業農家は横ばいで推移していることなどを紹介し、とくに米の生産構造改革の遅れを強調した。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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