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農政・農協ニュース

「清浄国」復帰図って
農水省がBSE対策の基本計画 (7/31)

 農水省は7月末に牛海綿状脳症(BSE)対策基本計画を策定したが、これに先立ち、案の段階で一般から意見と情報を募集したところ様々な声が出た。うち畜産農家対策としては▽感染源の究明▽畜産農家への全額保証▽BSEマル緊事業の保証単価引き上げ▽発生前の価格での廃用牛買い上げ―などについて「基本計画に組み入れ、万全の措置をとるべきだ」との意見があった。
 これに対し同省は、すでに必要な対策を講じているが、さらに「今後とも予算措置によって機動的に対応する」とし、基本計画はBSEの患畜が確認された場合などの対応措置を掲げたもので、その中に個別の具体的な事業を盛り込むことはなじまないとしながらも「畜産農家、関係業者等の経営安定に関する措置」として「基本的な考え方を盛り込んだ」と答えた。
 同省は7月31日に、これら意見に対する見解をまとめた。今年度予算については「BSEに対する知識の普及と安全性のPRに30億円、牛肉のトレーサビリティ・システムの確立に10億円となっているが、逆転してもおかしくないのではないか。システムが10億円で組み立てられるとは思えない」との声が出た。
 同省は耳標の装着や移動報告の確実な実施、また多くの流通業者が実施可能なトレーサビリティ・システムをモデル的に実施することなどを目的とした予算措置であると説明した。
 また「OIE(国際獣疫事務局)はBSE清浄国の条件として7年間発生がないことなどを挙げている。計画の期間を5年としたのは短い」との意見には「平均的な潜伏期間が5年であることなどを考えたが、最新の科学的知見などを踏まえ、必要に応じ期間延長などを含めた見直しをする」と答えた。
 基本計画は今年6月に公布した牛海綿状脳症対策措置法に基づき策定された。BSEの患畜が確認された場合、またはその疑いがあると認められた場合に国と都道府県が講ずべき措置にに関する基本的な計画で、行政はこれに基づき、まん延防止対策を講じる。
 計画は「1日も早いBSE清浄国への復帰を図るため・・・・リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションといった『リスク分析』の考え方に基づいた的確な対応措置を講じる」との方針を掲げている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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