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農政・農協ニュース

JA改革促進対策も
農水予算概算要求 (9/11)

 来年度の農林水産予算概算要求は3兆5983億円で前年度比12・8%増となったが、年末にかけての査定で財務省は前年度以下に絞り込む方針だ。
 農水省は4月に「食と農の再生プラン」を示したがこれの実行を要求の基本とし「消費者の視点を重視した施策を強化」する。
 要求の目玉は「食卓から農場へ」と食品の履歴をさかのぼることができる仕組み(トレーサビリティシステム)の導入推進で81億円余を求めた。牛肉については店頭の商品パックに牛の個体番号(牛の耳標の番号)を表示することを義務づけ、同一性をDNA検査などでチェックする信頼性確保の体制を整備する。
 さらに消費者が牛の飼料を調べたいといった時にはJAなどが情報提供できるよう最初からデータベース化しておくシステムの構築支援などもある。
 豚肉、青果、コメなどについても団体、企業などがトレースのシステムを導入するよう支援し、また実証試験を実施する。補助率は2分の1以内か定額。
 国民が食を考える習慣を身につけることを促す「食育」する関連事業では123億円を求めた。「食を考える国民会議」の活動強化や「食を考える月間」の推進、子どもたちの農漁業体験学習、学校給食を通じた啓発などがある。
 「ブランド・ニッポン」食品の供給体制の確立という政策も打ち出した。505億円。各産地ならではの特色を生かした戦略の策定を推進する。
 一方「再生プラン」のもう一つの柱である構造改革では「意欲と能力のある経営体への施策の集中」に1573億円。うち「経営構造対策」では農業生産を核に加工、流通などに取り組むアグリビジネスの体制と施設の整備などを推進し、農作業を担う法人の施設整備なども進める。
 「法人化の加速」では法人化とともに担い手への農地の利用集積を加速化し、認定農業者や法人の経営発展に向けた多面的な取り組みを支援する。
 「農協改革の促進」では合併効果が不十分な農協には外部コンサルタントを導入し、事業と業務運営の体制整備を促進する。補助率は2分の1。また総合農協を経営体としてトータルに評価する手法がないため新たな評価手法を開発する。 基盤整備は認定農業者の育成などを要件として区画整理、用排水施設、農道などの整備を、農地利用集積促進などのソフト事業と一体的に実施する。1150億円(公共、非公共)。
 ほかに地球温暖化防止に向けたバイオマスの利活用などが特徴で、森林整備も温暖化対策を旗印とした。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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