JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

共済総研の渡辺氏がJA研究賞を受賞 (11/1)

渡辺靖仁氏
わたなべ・やすひと 昭和34年4月宮城県生まれ。58年東京大学農学部農業経済学科卒。全共連入会、平成6年農協共済総合研究所出向・調査第一部。
 JAと農業に関する研究論文などのうち最も優れたものを表彰する「JA研究賞」受賞者に今年度は農協共済総合研究所の渡辺靖仁主任研究員が選ばれ、10月31日、JA全中の宮田勇会長が賞状と副賞を贈った。授賞対象は『農協共済と農村保障ニーズ』(昨年11月農林統計協会刊)。
 JA研究は金融や経済に比べ共済事業では少なく、保険研究でもJA共済の分析は見当たらないため、この空白を埋めて「研究者に議論の素材を提供したいと平成8年から学会誌に論文発表を続けた」と渡辺さんは語る。それらをまとめた授賞対象著作で13年には東京大学から農学博士の学位を授与された。
 著作は90年代の農協共済事業の特徴を計量的に分析し、保障需要の分析では生保への加入要因やJAの推進活動の特徴を示した。またJA事業の総合性の分析も試みた。表彰式のあと渡辺さんは質問に答えて次のように語った。
 専門的で不親切な表現もある著作を評価していただき光栄です。積み残した課題に取り組むエネルギーが湧いてきました。
 JA共済に加入する要因の特徴では、ライフアドバイザー(LA)が生活相談に乗ってくれるといった農協の強みが明確になりました。生保の加入者には株式も買っている人が含まれている特徴などもあります。 生保の営業職員は大量採用、大量脱落ですが、農協職員はLAになってもやめることなく、組織のノウハウを生かして活動しています。成果主義の是非は別としてLA導入は組織があいまいにしてきたものをはっきりさせています。
 今後の研究課題としてはLA制度の効果と、また連合会のJA支援の効果も数字で把握したいことなどがあります。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp