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農政.農協ニュース

食の安全大綱づくりへ
農水省が推進本部設置 (11/20)

 牛海綿状脳症(BSE)や表示の偽装、また無登録農薬問題の発生などから食品安全行政のあり方が問われ、政府は次期通常国会で食品安全基本法を制定する方針だが、これらを受けて農水省は18日、北村直人農水副大臣を本部長とする「食の安全・安心のための政策推進本部」を設置した。
 12月上旬に現状と課題を整理。来年1月下旬には検討内容の中間取りまとめをし、その上で「食の安全と安心のための政策大綱」(仮称)を策定する。
 この日の本部初会合で大島理森農相は「国民にわかりやすい大綱をまとめてほしい」と”わかりやすさ”を強調。また北村副大臣も「検討の過程が国民にわかるようにしていきたい」と指示した。中間取りまとめには一般の消費者などから幅広く意見を求める。
 大綱づくりの検討事項は(1)「食卓から農場まで」の安全性確保(2)消費者の安心と信頼の確保(3)個別問題への対応のあり方(4)新たな行政組織の運営の基本的考え方(5)その他。
 同省は次期通常国会に牛の生産履歴を追跡できるトレーサビリティを義務づける法案や農薬取締法と飼料安全法の改正案などを提出するが、大綱はその全体像や個別施策の位置付けなどを示す。輸入農産物の残留農薬対策も含め検討する。 新本部設置により「動植物検疫・農薬問題等食品安全性対策本部」と「表示制度対策本部」は解消し新本部に統合した。新本部の下にはプロジェクトチームを設けた。
 また同省は来年7月にも「消費・安全局」を設けるが、大綱はそれまでにまとめ上げる。
 なお国の食品安全行政は内閣府に設置する「食品安全委員会」(仮称)が安全性を科学的に評価し、農水省は安全性を確保するための管理面を担当する。


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