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「JAカード」の活用と普及に本腰
JAバンクグループが「カード戦争」激化の中で (12/17)

 知名度にものをいわせて自社商品値引きなどの特典を付けたクレジットカードをトヨタ自動車、NTTドコモ、JR東日本、流通大手などが発行。カード業務は異業種参入で“大競争”状態。一方、カードローンのほうも東京三菱銀行がサラ金のアコムを保証会社にした「キャッシュワン」、UFJ銀行がプロミスと組んだ「モビット」という子会社名で消費者金融に参入するなど小口金融(リテール)サービスは正に“カード戦争”だ。そんな中でJAバンクグループは「JAカード」機能のフル活用を訴え、またカード会員の拡大に力を注いでいる。

◆ICカード切り替え進む

 クレジットカード業務は数少ない成長分野。このデフレ下に取り扱いの伸びは年率8%近い。それでも消費全体に対するクレジットカード払いの率は、米国の25%(現金払い19%)に比べ日本は1ケタ台で、ぐんと低い。このため各銀行グループは、この業務を個人金融の柱の一つに位置づけてカード普及にしのぎを削っている。
 JAバンクはJAカードをICカードに切り替えている。特殊なIC(集積回路)チップを埋め込んだプラスチックカードだ。偽造や変造を防げる。JAグループのリテール戦略の一翼を担う協同クレジットサービス(株)は9月から新規発行のカードをIC化。既発分も11月から更新時にIC化している。
 現在の磁気カードの数百倍以上の容量があり、1枚で何役もこなせるため、共済事業との共通カードにもできる。同社はどこまで多機能化できるか、ノウハウ蓄積のためにも導入した。
 すでに三井住友カードが昨春導入したのを手始めに各社とも更新中。他業種ではJR東日本が昨秋、プリペイド乗車券に導入。改札機に軽く触れるだけで通れるようにした。関西でも来年度から私鉄へと広がる。
 コンビニで使えるプリペイド式電子マネーとか健康保険証への導入などICカードの普及は急速だ。製造コストの大幅ダウンがはずみをつけている。
 
◆携帯料金でキャンペーン
 
 IC化で顧客を〃囲い込む〃機能が広がったクレジットカード業務に異業種も続々参入。NTTドコモなどの携帯電話各社はカード各社との提携などで通話料金のカード払いを始めた。
 そのあおりでJA口座からの通話料金引き落としがNTTドコモだけで100万件にのぼる月もあった。他社のカード使用をきっかけに決済口座を銀行などに移されると影響が大きい。
 このため協同クレジットサービスは、携帯やPHSの通話料金支払いを「JAカードに変えるだけで、こんなにお得!」という年内のキャンペーンを展開中。支払ってポイントをためると好みの商品がもらえる。ギフトカードの当たる抽選もある。
 JAに口座を開いていてもJAカードを持たない人が多いためカード普及にも改めて力を入れる。これは通話料金に限ったことでなく、関西電力のカード払いがすでに始まり、今後は公共料金も、といったIC化にともなうスケジュールが目白押しの動きに備えるものだ。
 JA口座が家計のメインになるためには給与振り込みにも増してクレジットカードのフル活用してもらう必要があるとされている。JAカードの普及率はまだ低い。このままではカード手数料引き下げなどの競争も激しくなる中で利用者基盤が浸食される恐れがあるとJAバンクグループには危機感がある。

◆お金は急に借りられる

 一方、同グループは「お金は急に借りられる」とうたって新型のカードローン「JAらくらくキャッシュ」の取り扱いを始めた。JAカードローンより簡単な手続きで50万円まで借りられ、銀行のATM(現金自動預け払い機)でも引き出せる。
 利用できる人は20歳以上70歳未満。従来は65歳未満までだったが、対象を広げた。とりわけJAとつながりの薄い若い層との取引拡大をねらう。
 手続きは運転免許証や健康保険証の提示など本人確認だけ。従来のような所得証明書や住民票はいらない。審査時間も即日とし、専用カードを発行する。金利は実質年率15%。
 12月までに島根、山口、大分、熊本で取り扱いを開始。年度内に11県、来年度中には20県まで広げる。保証は協同クレジットサービス。日本信販とも保証業務で提携している。農林中金では3年で500億円近い利用を見込んでいる。
 
◆消費者金融は草刈り場

 大企業向けの収益率低下、中小企業向けの貸しはがしなどの中で大手都銀や損保も消費者金融に参入。例えば東京三菱銀行グループと近鉄が提携し、来年1月から難波駅(大阪)などに銀行が営業所を設け、カードローン申込用紙を置いて受け付け、カードを手渡すようにする。
 サラ金の金利は30%近いが、都銀は15から18%。「らくらくキャッシュ」も従来のカードローンより金利を低くして、こうした攻勢に対応する。
 一方、協同クレジットサービスはキャッシュとクレジットの一体型カード「JAバンクカード」も発行。9月には大阪、神奈川など5府県で1万枚の普及となった。
 なおサラ金業界の貸付残高は平成7年の5兆2000億円から12年には9兆6000億円と大きく伸びている。



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