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秋田県信連と農林中金が統合に調印 (5/19)

統合調印のあと握手をする(右から)上野・農林中金理事長、菅原・秋田県信連経営管理委員会会長、渡部晴男・同理事長
統合調印のあと握手をする(右から)上野・農林中金理事長、菅原・秋田県信連経営管理委員会会長、渡部晴男・同理事長
 農林中金と秋田県信連の統合は5月1日の基本合意を受け、19日に一部事業譲渡契約書に調印。秋田信連は6月23日の通常総会、農林中金は6月26日の通常総代会で承認のあと10月14日に統合する予定。
 農林中金はすでに宮城、岡山、栃木の3県信連と統合しており、秋田は4番目となる。次いで長崎県信連とは5月22日に調印し、秋田と同日の10月14日に統合する予定。翌月の11月4日には山形県信連と6番目の統合をするが、すでに調印はすませた。
 秋田との調印で農林中金の上野博史理事長は、あいさつの中で、りそなグループへの公的資金注入など金融情勢を述べ「金融機関の健全性、信頼性を高める取り組みがますます重要」とし、統合による組織整備の推進を強調した。
 また秋田県信連経営管理委員会の菅原稔会長は「統合により一体となって体質強化に取り組めば、必ずや組合員・利用者の倍旧の信頼がかち取れると信じる。初心を忘れず、これを機にJAバンクシステムをより強固にするためにがんばりたい」とあいさつした。
 秋田県信連は▽正会員28団体、准会員18団体(平成15年3月末。以下同)▽資本金152億円▽役員12人▽職員136人▽県下JA数16▽JA貯金量6476億円▽同貸出金2507億円。

◆厳格な基準に対応をりそな問題で上野理事長

 農林中金の上野博史理事長は、秋田県信連との統合調印式後の記者会見で、りそなグループへの公的資金注入などについて質問に答え、次のように語った。
 りそなは自己資本に算入していた繰り延べ税金資産が(会計監査により、過大であると指摘されて)カットせざるを得なかった。
 金融機関が守るべき基準の当てはめ方が厳格になってきている。系統信用事業に適用される基準や水準もそれと変わらないので、基準を充たす努力が必要だ。 農林中金の自己資本比率は15年3月末決算見込みで約10%となるはずだ。
 (競争の激しい小口金融について)各JAが熱心に取り組んでいる。100余りのJAについて情報交換しているが、それによると、土日曜日に住宅ローンの相談会開催や宣伝をするなど非常に積極的だ。また創意工夫を発揮して地域の実態に合わせた金融商品を出しているJAもある。数字はまだつかんでいないが、やがて、リテール競争が厳しい中でも、それなりの数字が上がってくるものと期待している。
 【繰り延べ税金資産】 不良債権の処理にともなって支払った税金が将来は戻ってくると見込んで自己資本に上積みする資産。りそな銀行は、その計上が難しくなり、自己資本比率は2.07%に低下した。 (2003.5.20)



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