農業協同組合新聞 JACOM
   

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総資産40兆円超、支払い余力比率753%
―JA共済14年度事業概況「JA共済安心めっせーじ」 (6/17)

 JA共済連(新井昌一会長)では、組合員・利用者に事業概況を報告する「JA共済安心めっせーじ」を作成した。これによれば、14年度の総資産が13年度より1兆8122億円増加し40兆9443億円となり、ソルベンシー・マージン比率(支払い余力比率)も56ポイント増の753%となっている。
 は、先ごろ発表された生保各社の14年度実績とJA共済を比較したものだが、生保各社は新契約、保有契約、総資産、支払い余力比率の各項目で10社中8社が前年度実績を下回っているが、JA共済は保有契約を除く各項目で前年実績を上回り、経営の健全性が際立っているといえる。
 この1年で株価が30%も下がり8000円台となったため、生保各社の運用環境が悪化し、多額の減損処理を余儀なくされて収益を圧迫し、経営の健全性を示す支払い余力比率を悪化させた。13年度末では主要10社中6社が株式含み益を確保していたが、14年度では日本生命と明治生命、大同生命を除く7社が含み損に陥っている。株価下落の牽引役となっているのは銀行株だが、主要生保10社が銀行から調達している基金や劣後ローンなど広義の資本金は1兆8230億円に上り「危険な共倒れ関係」にあるとの指摘もある。銀行を核とする金融コングロマリット化戦略が裏目に出たといえよう。
 さらに、長引く低金利によって運用利回りと予定利率が逆転し、その差額が生保の経営を圧迫する「逆ざや」も、主要10社で826億円減少したが、依然として1兆1669億円あり、大幅な改善はみられない。生保経営の破綻を避け、逆ざや問題に終止符をうとうと、予定利率引下げを可能とする保険業法の改正案が6月12日に衆議院を通過したが「3%に引き下げができても、それで逆ざや問題が解消できる保証はない」という生保関係者は多い。
 こうしたなかで、JA共済は、逆ざや問題はありながら、総資産のうち、39兆円余の運用資産の約80%が安定的に収益を確保できる国債などの公社債と、安全・確実な運用を行い、支払い余力も56ポイント増え、引き続き健全な経営を確保している。表でも分かるように、JA共済は国内屈指のスケールと健全経営による「安心の保障力」をもっているといえる。
 「JA共済安心めっせーじ」はこの他に、共済金支払い状況、巨大災害など自然災害への共済金支払い状況や契約者保護への対応なども分かりやすく説明しており、JAで有効に活用して欲しいとJA共済連では希望している。
 なお、JA共済連の最終的な14年度決算内容については、7月24日の総代会で報告され、確定する。 (2003.6.17)


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