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1歳11カ月のBSE牛確認 原因究明に新たな課題 (10/6)

 牛海綿状脳症(BSE)の牛がまた見つかった。日本では8頭目となる。茨城県のと畜場で解体した牛1頭が陽性であるとの連絡を受けて精査の結果、厚労省の専門家会議が10月6日、新型と見られるBSEと判断した。
 これまでの7頭と違って脳組織がスポンジ状になっておらず、発症していなかった。また病原体のたんぱく質である異常プリオンの反応が非常に弱かった。さらに、今までの感染牛がみな5歳以上だったのに今回は1歳11カ月と若く、こうした特徴から「非定型的なBSE」と判断された。
 この牛は平成13年10月の肉骨粉禁止後に生まれ、それを配合した餌は与えられていなかったという。このため新型のBSEとも考えられ、感染源を異にする可能性もあり、原因究明に新たな課題が加わった。
 素性はホルスタイン種の肉用牛雄(去勢)。出生は栃木県下4農場のいずれかで今、特定中。ほ育農場は同県大田原市内、肥育農場は福島県葛尾村内。出荷前は栃木県南那須町の農場に一時けい留されていた。
 今回も全頭検査による確認であり、感染牛が食用に出回らないようにする遮断体制が完全であることを裏書きした形だ。病原体の潜伏期間は数年と長く、若いうちは発症しないままに健康体として解体されるが、日本のように2歳未満を含めた全頭検査を実施している国は世界でも珍しい。
 栃木、福島両県は感染牛に関係した農家に対して同居牛の移動と出荷を自粛するよう求めた。
 農水省は7日のBSE技術検討会で「非定型的なBSE」について(1)これまでのBSEとの違い(2)発生の原因と経路の調査(3)防疫のあり方の3点を検討することを決めた。
 同省のBSE疫学検討チームは先に感染源と感染経路を特定できないまま最終報告をまとめ、今後の発見事例を加えて、さらに原因を追求するとしたが、今回は想定外の新型事例が見つかったたため、まず「新型とは何か」を議論する。  (2003.10.8)

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