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農中証券がみずほ証券に営業譲渡
農林中金が運用力強化へ業務効率化 (11/7)

 農林中金が全額出資している農中証券(株)は、みずほ証券(株)にすべての営業を譲渡する。来年3月中旬をめどに譲渡し、農中証券は6月に解散の予定。農林中金とみずほフィナンシャルグループは11月7日に基本合意したと発表した。
 系統信用事業は貯貸率が低く、農林中金は資金運用力の強化を迫られている。このため農中証券を切り離し、経営資源を運用分野に集中。またJAバンクの安全網(セーフティネット)と組織の整備に必要な要員も充足する。
 農中証券の業況は順調だが、農林中金の経営戦略としては、国内の証券業務から実質的に撤退し、「選択と集中」を優先させて業務の効率化を図った。
 農中証券の業務は一般の証券会社と違って株式の取り扱いはごくわずか。主に債券の引き受け・販売などであり、リテール(個人向け)はなく、ホールセール(法人向け)だ。みずほ証券も法人向けのみずほコーポレート銀行が全額出資する会社だ。
 投資銀行業務の強化を図るみずほグループと、運用力強化を図る農林中金グループの意向が一致して営業譲渡となった。これによりみずほ側は、農林中金発行の農林債券を取り扱ったりまた農林中金や信連の取引先企業との関係強化など顧客基盤を広げられる。
 農中証券職員109人のうち半数は農林中金からの出向者であるため本体に戻るが、あと半数のプロパー職員はみずほが譲り受ける。営業譲渡契約は12月中旬をめどに締結する。
 農林中金グループ会社は1社減って15となるが、その中には海外で証券業務を行う農林中金インターナショナル(株)(ロンドン)があり、また国内では投資信託委託・投資顧問業務を行う農林中金全共連アセットマネジメント(株)がある。
 農中証券(東京)▽植木響社長▽平成5年設立▽資本金300億円▽農林中金100%出資▽従業員109人▽純資産416億円▽純営業利益31億3200万円▽経常利益3800万円(15年3月期)。
 みずほ証券(東京)▽大澤佳雄社長▽資本金1502億円▽みずほコーポレート銀行100%出資▽従業員数1122人▽純資産2429億円▽純営業利益562億8500万円▽経常利益226億5400万円(15年3月期)。 (2003.11.11)


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