農業協同組合新聞 JACOM
   

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開発企業の種子支配も問題に 
遺伝子組み換え作物で院生らが市民会議 (11/26)

 慢性毒性の可能性が否定できないなど遺伝子組み換え食品に対する不安は根強い。農水省は組み換え農作物を考える市民会議を開く中で、11月には大学生と大学院生の考えを聞いた。結果は、これまでにまとめた一般市民の意見とほぼ同様となり「健康を脅かす問題が起こる可能性がある」として「政府は長期的な影響を調査・研究すべきだ」と提案した。
 また、事故が起きた時に被害を最小限に食い止めるためにトレーサビリティ(履歴管理)の拡充を求めた。
 商品化には安全性の試験があるため慢性毒性の可能性は低いが、組み換え作物が大量に栽培されて、価格が安くなると、消費者の過剰摂取の問題などが起きるから、機能性食品と医薬品を明確に分類した安全基準が求められるとした。
 また例えば、害虫に強い組み換え作物の栽培で花粉が飛散し、在来種と交雑すれば貴重な在来の植物が駆逐される恐れがあるから、そうした遺伝子汚染を未然に防ぐ技術開発をより進めるべきだとも提案した。
 一方、組み換え技術を開発した少数の巨大企業が特許権などで種子を支配すると、農家の自家採種や改良ができなくなるため途上国の問題も考えた農業政策の国際化が必要と提案した。
 さらに将来は、組み換え作物が砂漠化を防ぐなど環境改善に役立ち、また二酸化炭素を固定したり、化石燃料の代わりになる農作物の開発も予想されるとしてそれらが生態系を破壊しないように介入できる監督機関の設立も求めた。
 この若い世代だけの「市民会議」は応募者の中から15人を抽選で選び、日生協の担当者など専門家が説明と助言をしながら討論を展開。計4日間をかけて「課題と提案」をまとめ、11月26日に公表した。  (2003.12.2)


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