農政ニュース／ＪＡＣＯＭ

　８月末の来年度予算概算要求に向けてＪＡグループは7月17日、農水省などに予算提案した。内容は(１)農業の構造改革の実現とコメ政策改革の具体化(２)食糧の安全・安心確保に向けた施策の充実(３)美しい農村環境づくりと農村都市交流などの推進、という３点が基本。
　今年は「昨年以上に歳出抑制が働く」とＪＡ全中は想定した。また６月末の閣議決定が農水予算の改革について「意欲と能力のある経営体に施策を集中することにより、零細な生産構造からの脱却と真に消費者を起点とした政策転換に向けた農業構造改革をさらに推進する」としたことに注目している。
　その中でコメ政策改革にかかるメリット対策には十分な財源確保が不可欠とし例年になく重点的な取り組みを強める方針。具体的な予算要請内容は、概算要求締め切り前、８月28日の全中理事会で決める。
　17日の提案内容は、構造改革について、コメ政策以外では、個別品目ごとの特性を踏まえた経営安定対策の確立や、農地の利用集積などを挙げた。
　安全・安心確保では▽生産者の生産履歴記帳を進めるために必要な人材育成▽記帳や情報開示のシステム開発▽記帳のもとに生産した商品を分別出荷するＪＡの施設整備、などを助成するよう提案した。
　産地での残留農薬検査や環境保全型農業への支援、有機農産物の認証取得への助成措置なども挙げた。
　地域振興対策では、生活環境の一体的整備とか、地産地消と食農教育に対する助成などを提案した。　（２００３．７．２３）