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信用事業が減益に販売事業は増益−JA上期経営概況 (12/11)

 総合JAの経営概況は全国的に厳しく、今年度上半期の事業総利益は前年同期比3.3%の減益になったという集計速報値をJA全中が12月11日発表した。調査対象は766。全JAの86%にあたる。
 取扱高は貯金が伸び、また農畜産物などの販売高が前年同期に比べて増えたものの、ほかは前年同期実績を割り込んだ。
 事業別では信用事業で定期性貯金が減少傾向から増加に転じるなどで1.8%増となったが、貸出金は12年度決算期から引き続き減少している。
 共済事業は長期共済保有高が1.7%減となり、12年度上半期から減り続けている。新規契約が増えているが、満期の増加が主因で保有契約が減っている。
 経済事業は販売高が0.3%増となった。春野菜の価格が堅調だったことなどが背景と考えられる。しかし上半期の業績には通期の約3分の1という流れがあり、また今年はコメ不作があるため下半期の落ち込みが心配される。
 購買品の供給高は4.4%減で9年度上半期から引き続いて減っている。
 損益は事業総利益が約9464億円で前年同期比約320億円の減益だ。事業別では信用事業が前年同期も前年度決算期も増益だったが、今期は再び減益に転じた。増益は販売事業だけという結果になった。
 事業総利益減益の中心は信用事業総利益が3.4%の減益に転じ、また購買事業総利益が5.8%もの減益になったことによる。
 信用事業収益は低金利などから2%の減益だが、事業費用は0.5%の減少にとどまった。費用のうち貯金利息が25.4%も減ったのに全体に響かなかったのは貸倒引当金繰り入れなどが増額となったなどの影響と想定される。
 事業管理費は人件費4.7%もの削減が大きく、約310億円の減少となり、その結果、事業総利益は約320億円の減益だが、事業利益は2%(約10億円)減益にとどまった。
 事業利益に事業外損益を加減した経常利益は10.5%(約75億円)の増。これは事業外費用が減少したためだ。職員数(常雇い的臨時雇用者を含む)は引き続き減少。3.2%減。 
(2003.12.18)


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