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文化と協同の力で元気なJA・地域づくりをすすめよう
第46回全国家の光大会 (2/10)

 (社)家の光協会は2月10日、第46回全国家の光大会を大阪で開催した。大会では、第54回家の光文化賞の表彰、15年度JA普及実績表彰を行ったあと、記事活用の部と普及・文化活動の部の体験発表などが行われた。
 今大会のスローガンは「文化と協同の力で元気なJA・地域づくりを進めよう」。全国から2700人が参加し、協同組合運動が大切にする考え方を学び「参加・参画する仲間づくり」への取り組み、「地産地消」、「スローフード」運動などを通じた食と農への理解を深める取り組みなどの実践をすすめることを参加者全員で申し合わせた。

■教育文化活動の成果を表彰

 大会では池端昭夫(社)家の光協会会長の主催者あいさつ、太田房江大阪府知事や宮田勇JA全中会長など来賓あいさつのあと、「第54回家の光文化賞」の表彰が行われた。
 同賞は、教育文化活動の取り組みが創意工夫に富み、家の光事業がJAの事業・活動のなかで明確に位置づけて成果をあげているJAを表彰するもので、昭和24年の創設以来、これまでに延べ232JA受賞している。
 今回の受賞組合は「JAいわて花巻」(岩手県)、「JA新ふくしま」(福島県)、「JA東びわこ」(滋賀県)、「JAならけん」の4JA。

 いずれも広域合併JAで審査委員長の川野重任東大名誉教授は「受賞4JAともに新たな環境下、懸命に奮闘中。その先駆者としての貴重な姿を提示した」と講評している。
 また、同賞受賞JAには「コチア産業組合中央会記念賞」も贈られた。
 この賞は、太平洋戦争後、日本の惨状を知ったブラジルのコチア産業組合の組合員と職員の有志が、日本の農村文化振興や農協の発展のためにと集めた募金に基づくもの。家の光協会が中心となりこの浄財を基金として同賞を創設した。

■記事活用が意識改革を生む

 今年の体験発表には全国で約950人が応募。大会前日には3ブロックに分けての都道府県代表者の発表があり、その結果選ばれた9人が全国大会で発表した。
 記事活用の部で農林水産大臣賞に選ばれたのは、JAみっかび(静岡県)・藤山美恵子さんの「私のなかの意識改革― 一生懸命って何」。
記事活用の部・農林水産大臣賞 藤山恵美子さん
記事活用の部・農林水産大臣賞 藤山美恵子さん
 みかん農家に嫁いでから家事と子育てに追われて「自分が見えなくなった」という藤山さんは、『家の光』、『地上』で家族経営協定のことを知り、夫と話し合って“夫婦協定”を結ぶ。「今までと生活は変わらなくても、仕事の分担、お互いの立場を認め合い、精神的に大きく変化。がんばれる力になった」という。
 その後、記事を通して地産地消、スローフード運動など新しい知識に触れ、地域の農業を大切にする学童農園活動などにも子どもとともに取り組むようになった。各地で前向きにがんばっている女性たちがいることも知り「同じ風でも自分次第でよい方向に吹いていると思えるようになる。『家の光』は意識改革してくれた。すばらしい自然と農業の魅力を子どもたちに伝えていきたい」などと発表した。
 審査委員長の白石正彦東京農大教授は「夫婦協定にはじまり、子どもも巻き込んで温かい家庭をつくっていこうというベースに家の光三誌の活用があることが評価された」と語った。

■先駆者の精神で教育文化活動の発展を

普及・文化活動の部・JA全中会長賞 宮田敏彦さん
普及・文化活動の部・JA全中会長賞 宮田敏彦さん

 普及・文化活動の部でJA全中会長賞を受賞したのはJA東びわこ(滋賀県)・宮田敏彦さんの「地域に新しい風を―身近な生活文化活動への挑戦」。
 宮田さんは女性組織の担当になってから、組織が抱える問題点を分析し、女性部の改革に着手した。本部役員制を廃止して支店を拠点とする活動としたほか、支店には担当職員を置き、身近な活動についていつでも相談できる体制とした。
 担当職員には『家の光』を熟読する研修会や職員自身が記事活用を体験する講習会を設定。その結果、支店が独自に企画する文化活動が中心になってきた。支店だよりにも『家の光』のおすすめ記事紹介などを組合員に発信。こうした改革によって活動が活発化し、3200人だった女性部員が4000人を超えるまでに増えたという。
 審査講評では、JAマンとして問題をじっくり分析して改革にあたり、女性部を再建した点が評価された。
 白石委員長は今回の発表をふまえ「JAの今後の活動には公正さと先駆者の精神が大事。組合員の結集体であるJAは組合員活動の成果をもとにさらに発展させてほしい」と強調した。
 大会は最後にJA北信州みゆきの石田正人組合長が「申し合わせ」を読み上げ、明日から実践の互いに誓った。
 
(池端会長あいさつ)

池端昭夫 (社)家の光協会会長

家の光事業の総合力を発揮
池端昭夫 (社)家の光協会会長

 地域農業の振興をはかり安全・安心な農産物を提供するとともに、組合員とJAの結びつきを強め組織基盤の拡充と地域の活性化をはかるため、JAへの結集力の強化とJAによる求心力の強化が喫緊の課題となっている。
 そのため食と農の信頼を回復する活動、広域JA時代における協同の心と力を強化するJA教育広報活動の促進が重要。また、組合員・地域住民の文化的ニーズを満たす役割を担うJA生活文化活動の積極的な展開も大切になっている。
 家の光事業の総合力を最大限に発揮し、JA教育文化活動の促進と強化方策の提案に取り組んでいく。
 
(宮田会長来賓あいさつ)

宮田勇 JA全中会長

価値ある情報提供を期待
宮田勇 JA全中会長

 第23回JA全国大会決議のなかで、「協同活動の強化による組織基盤の拡充と地域の活性化」を掲げた。協同組合の理念を理解しJAに結集していくことが求められている。その要となるのがJA教育文化活動の実践。家の光三誌を毎月家庭に届け、家族で活用することは大いに意義がある。
 困難な時代だからこそ価値ある情報を提供していただくことを強く期待している。
 
(申しあわせ)
●第46回全国家の光大会申し合わせ
一、協同組合が大切にする考え方を学び「参加・参画する仲間づくり」に取り組みJA運動に結集する仲間の輪を広げます。
一、「地産地消」「スローフード」運動などをとおし「食」の大切さ、「農」の果たす役割への理解を深める取り組みをすすめます。
一、高齢者福祉・地域の助け合い活動、次世代を育む取り組みをすすめ心豊かな地域づくりをめざします。
一、『家の光』『地上』『ちゃぐりん』『やさい畑』「家の光図書」の普及活用運動に取り組み「JAへの結集力を高める『家の光』100万部愛読者ネットワーク」づくりをすすめます。

(2004.2.17)



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