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鳥インフルエンザ2例め大分で発生 チャボの感染を確認 (2/17)

 鳥インフルエンザに感染した鶏が2月17日大分県玖珠郡九重町でみつかった。山口県の採卵養鶏場での発生に次いで2件目となる。今度のはチャボで愛好家が13羽を飼っていたが、うち7羽が14日から16日までに次々に死んだ。報告を受けた農水省は検体を茨城県つくば市の動物衛生研究所に送って病性鑑定の結果、H5亜型のA型鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されたと17日発表した。

■大分、熊本で移動制限

 また同省は、発生場所から半径30キロ以内の区域で、鶏などの家きんと、その肉や卵などの移動を停止した。すでに、この日朝から移動は自粛となり、夜からは法的措置とした。移動制限範囲は熊本県にも及び、両県合わせて4市22町6村となった。
 これよりさき、生き残ったチャボも検査のため、すべてが処分された。鶏小屋の消毒や疫学調査の実施などの措置もとった。
 農水省は発表と合わせて「鶏卵、鶏肉を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていない」と強調した。
 九重町のチャボは民家が趣味で飼っていて、卵も出荷されていない。アヒルも1羽いたが、これも県が焼却処分した。
 山口県阿東町の養鶏場で1月に発生した高病原性鳥インフルエンザ対策では、県がやはり30キロ以内での鶏の移動を禁止し、その後の検査などでも異常はないと発表。そうした結果から農水省は19日にも移動制限を解除する予定。
 その矢先に大分県の内陸部で国内第2号が発生した。国外ではベトナム、タイ、中国などで感染が広がり、人間の死者も出ている。
 鳥インフルエンザは、A型鳥インフルエンザウイルスが原因で鶏、アヒルなどに感染するが、野鳥を介しても感染する可能性があるといわれる。

■ペット愛好家も注意を

 農水省は1月に山口県で発生した鳥インフルエンザへの対応で、ペットとして飼育している場合にも養鶏場などに準じることを決め、市町村を通じてペット飼育の実態把握と愛好家への注意喚起を行ってきた。今回も飼育者がチャボの死亡に早期に疑問を持ったことから発見につながった。
 今後、検体から分離されたウイルスの分析を引き続き行い詳細な型を特定する。型を分類するたんぱく質のひとつ「H」(HA、ヘマグルチニン)が「5」であることから高病原性鳥インフルエンザウイルスであることは間違いないが、もうひとつのたんぱく質「N」(NA、ノイラミニダーゼ)の種類によっては弱毒の可能性も残されている。
 農水省によると、今回の発生例と山口県の例との関連は時期も離れていることから疑われないという。 (2004.2.18)



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