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農協法改正案が明らかに−中央会の指導機能を明確化 (2/20)

 農水省は、今国会に提出する農業協同組合法と農業信用保証保険法の改正案を2月20日の自民党農林部会、総合農政調査会に示し、同会で了承された。
 今回の改正は経済、共済、信用の3つの事業に関わる内容となっている。

◆中央会の指導・監査機能を強化

 経済事業では、全中が経済事業に関する「基本指針」を策定、総会で決定し公表することができるよう改正し、中央会の指導機能の明確化を図る。
 また、JAに対する決算監査と計画監査は現在、全中と都道府県中央会が行っているが、これを全中に集約する。
 そのほか▽他のJA組合員の農産物を販売する場合は員外利用規制の対象外とする、▽経営情報の開示義務づけを全農・経済連等にも拡大する、▽大規模JAが小規模JAを吸収合併する場合等に、大規模JAの総会議決を不要とする制度の導入、も経済事業関係の改正案となっている。

◆共済の支払い能力に基準定める

 共済事業関係の改正の柱は(1)事業の健全性確保、(2)契約者保護、(3)契約条件の変更、(4)機動的な事業運営の確保の4つが柱。
 事業健全性の確保措置として、信用事業と同様、共済事業を行う場合も一定額以上の出資を必要とする最低出資金制度を導入。また、共済金支払い能力の指標となるソルベンシー・マージン比率に基準を定め、これに応じて業務改善命令などを出す早期是正措置も導入する。
 そのほか▽責任準備金に加え、支払備金、価格変動準備金、割戻準備金の積み立て義務づけと利益準備金の積み立て基準の引き上げ、▽子会社、議決権保有の規制、▽全共連への員外監事、常勤監事の設置義務づけ、が改正内容。

◆クーリング・オフ制度も導入

 契約者保護では▽クーリング・オフ制度の導入、▽共済契約の勧誘・締結の際の不適正な推進行為の禁止等、▽全共連に財務状況の公衆への縦覧を義務づけ、となっている。
 また、契約者保護の観点から契約条件の変更(予定利率の引き下げ)を可能とする制度を導入するほか、保険会社の代理業務の明確化、共済代理店の届け出制導入なども改正点。
 信用事業関係では、農業信用保証保険法を改正し、農業信用基金協会の業務・経営の健全性確保のため(1)保証債務の弁済能力状況の基準を定め必要な命令措置を発する制度を導入、(2)監事資格を拡大し公認会計士制度を導入、する。また、同基金協会の合併、事業譲渡規制の整備のための改正も行われる。 (2004.2.23)



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