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簡易検査で鳥インフルエンザ陽性−京都・丹波町の採卵鶏農場で (2/27)

 2月27日午前、京都府は府内で鳥インフルエンザが疑われる例が発生したと発表した。
 発生農場は京都府船井郡丹波町にある採卵鶏農場で飼養羽数は19万8000羽。今月20日から毎日1000羽以上、これまでに1万羽ほどが死亡しているとの匿名の連絡が26日夜に地元の家畜保健衛生所に入った。このため同衛生所が27日未明に立ち入り検査を実施。「簡易検査キット」により死亡鶏3羽中3羽、生きた鶏9羽中2羽で陽性となった。
 簡易検査キットは、人間のインフルエンザ検査キットとして医療機関で使用されているもの。A型インフルエンザ・ウイルス抗体があれば陽性となるが、疑陽性もあるという。高病原性鳥インフルエンザ対策のマニュアルでは、簡易キットだけでは確定診断とならず、他の検査を実施するよう定めており、現在、京都府の中央家畜保健衛生所でウイルス検査を実施中だ。
 さらにウイルスが分離された場合は動物衛生研究所に検査材料を送り、ウイルスの型や病原性について検査される。確定診断までには数日かかるという。

■半径30キロで移動自粛制限を要請

 京都府は同日、麻生副知事を本部長とする「京都府対策本部会議」を設置。発生農場への立入制限、卵の出荷自粛を要請したほか、農場から出荷された鶏卵と鶏肉についての販売先調査と回収も求めた。
 また、発生農場から半径30キロ以内の移動自粛要請と立ち入り調査も行っている。移動自粛要請区域には、兵庫県、大阪府、福井県の一部も含まれることになるという。
 京都府は大分県での発生後、1000羽以上飼養の養鶏農家に異常が見られないか電話での聞き取り調査を行い、18日には問題となる事例は確認されていないと公表していた。この調査では今回の発生農場も対象となっており、調査時点では異常が見られないとの回答を得ていたという。今後、これまでの死亡鶏の処分法についても調査が行われる。
 農水省は国内での鳥インフルエンザの発生以来、都道府県に対し、鳥に異常が見られた場合はすみやかに関係機関に連絡するよう通知したが、再度徹底するという。
 なお、山口県や大分県で行われた移動制限はあくまでも鳥へのインフルエンザ感染拡大を防ぐための措置。発生国からの輸入停止措置も同様の目的で行われているもので、人間が鶏肉や鶏卵を食べることによって鳥インフルエンザに感染したという例は世界的にも報告されていない。

(2004.2.27)


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