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JA高齢者福祉事業で国に要望
今秋以降メドに事業別に (5/19)

 JA全中を中心としたJAグループは、本年4月、国の介護保険制度見直しに合わせ『介護保険制度見直しに関する政策要望等について』を発表したが、今秋以降、より踏み込んだ形の“要望”を提出する予定で、現在その準備を進めている。

■介護保険事業実施は364JA、取扱高204億円

 JAグループが、介護保険サービス事業に参入したのは平成12年から。従来からグループ内で行っていた助けあい事業(活動)と合わせて、JA独自の発展をしてきた。
 15年10月1日現在の指定事業者数の事業別内訳は、訪問介護379、通所介護93、居宅介護支援219、福祉用具貸与168、訪問入浴18となっており、事業者数では877ヵ所となるが、一つのJAで複数の事業者認定を受けているケースがあるため、介護保険事業実施JA数では364となる。
 取扱高では12年度が73億5300万円、13年度が120億6200万円、14年度が162億5900万円、15年度が204億600万円と推移しており、伸び率は年々鈍化しているが、金額的には順調な伸びを示している。

■利用者本位の質の高いサービスを

 JA全中地域振興部生活福祉課の平松宏二課長は、「今後30年間ぐらいは高齢社会が続くと予想され、指定事業者数、取扱高とも伸びていくのは確実である。
 今後は、(1)働く人の身分や待遇等を明確にした労務管理、(2)サービスの質の向上、(3)人材育成、の三つを柱に、事業整備を進めていかなければならない」と語る。また、JAの高齢者福祉事業は、創設期から安定成長期に入りつつあるが、この機会に高齢者福祉事業方針を再策定し、高齢者福祉事業に取り組む理念の明確化とJA役職員の共有化の徹底をはかることが、継続して取り組んでいく上で重要であると強調した。
 主に過疎地域でJAグループの高齢者福祉に果たす役割の重要性や、都市近郊で同業他社との競争の激化等が予想されるためにも、事業の合理化や整備が必要だとも強調した。

■今秋以降メドに事業別の要望提出

 国の介護保険制度は平成12年度から始まっているが、施行後5年をメドに制度全般の検証と見直しを行うことになっているため、現在、厚労省社会保険審議会で見直しに向けた審議を行っている。JAグループとしては独自の立場で、国に対する要望をまとめているところだが、すでに4月23日、JA全中、JA高齢者福祉ネットワークの連名で第1次の要望を提出した。
 第1次の要望では、
〇保険者による保険料の顕著な格差を是正するとともに、条件不利地域のため居宅サービス事業者の参入がなくサービスが受けられない地域について、特別措置を講じること。
〇要支援者について、介護保険制度利用対象者から排除しないこと。
〇今後、急増する痴呆介護の体系的な研修の機会を確保すること。
〇障害者福祉の介護保険制度組み込みについては、単に財政的な理由で組み込むことなく、慎重に検討すること。
〇第三者評価制度については全国的に標準化して実施すること、および評価にかかる費用については、事業者負担を軽減すること。
〇居宅介護支援事業については、公正中立性をはかるため財政的基盤の確立等、根本的な見直しを行うこと。
など、主に制度の枠組みについての見直しを求めている。
 現在、国の見直し作業を睨みながら、事業別の要望を第2次要望として今秋以降をメドに提出することにしており、今後介護保険事業を実施している全てのJAに対して要望事項等のアンケートを実施する。 (2004.5.19)



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