農政ニュース／ＪＡＣＯＭ

　農水省はこのほど、農村女性による起業活動実態調査をまとめた。
　この調査は農村女性による農林漁業関連起業活動の実態を把握し、今後の起業活動に対する支援策に生かすため、全国の農業改良普及センターの協力を得て、本年１月に実施した。

■法人化は３%、年間売り上げ300万円が主流

　15年度の女性起業数は全国で8186件となっており、前年度に比べて5.8%増えた。8186件の内訳は個人経営が2551（31.2%）、グループ経営が5635（68.8%）となっており、対前年度増加率では個人経営の伸びがグループ経営を上回った。

　また、8186件のうち法人化されているのは229件と全体の３%で、ほとんどは個人や知り合いで家内工業的に行っているのが現状だ。法人では有限会社139、農事組合法人51、株式会社７、その他32となっている。
　活動内容は、食品加工業、農産物の販売・流通などが多数を占め、地域の特色を生かした起業が目立つ。
　販売金額で見ると、年間売り上げ300万円未満が61.4%と多く、1000万円以上は13%でまだまだ少ない。

■多彩なIT活用、今後も増えそう

　起業活動でインターネット、ホームページ等ITを活用しているのは2063件（25.2%）。活用内容は商品の販売、商品の紹介、生産地域の紹介、栽培方法・加工技術等の紹介、簿記・青色申告等の経営管理、顧客管理等の販売事務など多伎にわたっている。ITを活用していない起業6095件のうち、今後ITを活用したいと答えたのは1012で、ITへの関心は高い。　（２００４．５．２６）