農業協同組合新聞 JACOM
   

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政策対象の重点化を
農業法人協会の政策提案 (6/17)

 (社)日本農業法人協会は6月17日の第11回総会で「21世紀のわが国農業・農村の再構築に向けた提案」を了承し発表した。3月に同名の提案をしているが今回は二次提案。
 提案では、国内農業の構造改革は「スピード」と「タイミング」が必要と指摘。めざす農業の方向として「利益を生み出す魅力のある産業」、「時代や社会に貢献する産業」、「供給型産業から需要創造型産業へ」を上げている。
 政策展開の基本的な考え方としては、△専業的な経営体への「選択」と「集中」、△産業政策と地域政策を分けた政策展開、△経営者の自己責任の明確化、行政・農業者の役割と責任分担の明確化をあげたほか、政策をスピードを持って展開するには、国から県、市町村という従来の政策ルートではなく地域の枠を超えて「担い手」を支援する新たな政策ルートが必要だとしている。

■集落営農の専業圧迫を懸念

 経営安定対策では、現在検討されている品目横断的な対策がバラマキにならないよう「選択」と「集中」が必要だと強調すると同時に、農業収入の一定割合を「経営安定資金」として積み立て、経営継続のために取り崩すことができるような税制上の支援策を求めている。
 集落営農については、農業法人など既存の専業的経営体との競合が進み、「農地の貸しはがし」など経営体を圧迫する懸念もあると指摘。既存の専業的経営体の経営発展に支障が出ないように、地域の担い手については「第三者が客観的立場で判断できる」仕組みが必要としている。また、集落営農を政策的に支援する場合も、法人化を積極的に進めることを基本にすべきと指摘している。
 そのほか、農地制度では資産的保有を抑制し、専業的経営体に農地利用の集積を図ることが必要と提案。投機的な取得や遊休化に対しては厳格な規制を求めている。株式会社一般の農地取得については、投機的な農地取得の懸念が払拭されないかぎり、農業生産法人の株式会社に限定すべきとしている。
 自給率向上策については掲げていないが、提案では「都市と農村の共生・対流」を強調、「農業者が国民の信頼を得て、農と食の関係回復に務めることが自給率の向上につながる」という。

(2004.6.23)


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