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総資産42兆円超、支払余力比率829%
JA共済連「JA共済安心めっせーじ」(15年度事業概況)を作成 (6/23)

 JA共済連(前田千尋理事長)は、組合員・利用者に15年度の事業概況などを分かりやすく伝える「JA共済安心めっせーじ」を作成した。これによると、15年度の総資産は14年度より1兆1967億円増の42兆1410億円(内運用資産は40兆9160億円)、支払余力比率(ソルベンシーマージン比率)も76.5ポイント増の829.5%となっている。長期共済保有契約高(保障金額)は前年度比1.9%減(約7兆円減少)の375兆7455億円と5期連続の保有減となった。

表

 表は、主要な生保会社とJA共済連を比較したものだが、昨年度上半期の予定利率引下げ法案をめぐる論議などの影響を受けて、9社中7社が新契約を大幅に落としている。このため解約・失効は全体として減っているものの、保有契約は9社合計で5.6%減と7期連続して前年割れとなっている。保有契約を増やしている太陽は個人年金保険「保険組曲」のヒットが、ほぼ横ばいの大同と富国は第三分野商品が好調のためだとみられる。死亡保障をメイン商品とする日本や第一などは保有契約の減少幅が昨年度よりも大きくなっていることが注目される。
 JA共済の場合には、生命共済の満期共済が1兆7695億円あることもあって、生命共済保有契約が3.6%減少したが、建更共済が1兆2275億円増加し、全体としての減少幅は1.9%減で抑えられた。契約構造上大量の満期はあと数年は続きこの間、生命共済の保有契約の減少は避けられないといえるが、これを建更で補完している間に、医療共済など生存保障商品でどれだけ次世代を獲得できるかが課題となるだろう。
 生保各社は、14年度末に株価の急低落によって総資産や支払余力を落としたが、15年度は株価が回復し、とくに支払余力は200%前後改善された。JA共済連は、生保各社が落ち込んだ14年度も着実に支払余力を増加させ、15年度も約77ポイントアップし829.5%と経営の健全性を際立たせている。
 「JA共済安心めっせーじ」ではこのほかに、共済金支払状況、自然災害への共済金支払状況、JA共済しあわせ夢くらぶなどが分かりやすく説明されており、JAで有効に活用して欲しいとJA共済連では希望している。
 なお、JA共済連の最終的な15年度決算内容は、7月末の総代会で報告され、確定する。
(2004.6.23)


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