農業協同組合新聞 JACOM
   
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担い手支援策を拡充
−農水予算3兆4212億円を要求 (8/26)


 農水省は8月26日、17年度予算の概算要求をまとめた。
 要求総額は前年比12.1%増の3兆4212億円となった。ただ、17年度予算は引き続き歳出水準を実質前年度以下に抑制する路線で公共投資関係費は前年度3%減、裁量的経費は2%減となっていることなどから、3兆円を確保できるかどうかが焦点となりそうだ。
 概算要求には新基本計画に向けた中間論点整理を反映させ、担い手育成支援策や品目横断的政策の導入に向けた調査・検討のための予算、農業環境・資源保全策の確立に向けた検討予算などを盛り込んでいる。
 品目横断的政策導入推進事業として1億円を要求、資源保全実験事業で10億、資源保全手法検討調査で2億円などを盛り込んでいる。中山間地域等直接支払い制度は継続させ、交付金268億円を要求している。
 また担い手育成支援策の拡充や農地の利用集積の加速化などの対策は、補助金を統合した交付金として財源を確保する方針も打ち出している。

■補助金を7つの交付金化

 補助金改革について地方6団体は17年度で総額3兆2000億円を移譲するよう求めているが、農水省は削減ではなく地域にとって使いやすく、自主性、裁量が十分に発揮できるような仕組みへと転換させることが必要との考え方で概算要求した。
 理由は、農林水産政策が財政力の弱い農山漁村において行われており、補助金が廃止されると地域で必要な施策の実施が困難になるとの判断からだ。農水省分で移譲対象となった補助金総額は約3000億円。このうち1800億円を目的別に交付金化することにした。
 交付金は△食の安全・安心確保(43億円)△強い農業づくり(643億円)△元気な地域づくり(592億円)△バイオマスの環づくり(182億円)△森林づくり(59億円)△強い林業・木材産業づくり(105億円)△強い水産業づくり(193億円)の7つ。
 担い手育成支援策や農地の利用集積加速化などの施策は強い農業づくり交付金や元気な地域づくり交付金をあてることになっている。
 また今回の補助金改革では、これまで国が示すメニューのなかから選択していた方式から、地域が必要と判断するメニューであれば補助の対象にする。さらに、これまでは事業ごとに申請を受けて交付額を決定していたが、今後は交付金一体で事業申請し、採択した計画全体に対して予算を配分、メニュー間、地区間の配分は県・市町村の判断にまかせる。
 そのほか省庁間の連携の推進も行い、農業集落排水施設補助金と、国交省の公共下水道、環境省の浄化槽への補助金を市町村の裁量で流用できる制度もつくる。たとえば、農業集落排水施設の完成後、その補助金が残った場合、公共下水道予算に流用して完成を前倒しさせるなどの例が考えられるという。

■市町村の8割 財政厳しく

 農水省は農林水産関係の施策は、食料の安定供給の確保や多面的機能の発揮のため、国と農山漁村が連携して実施することが不可欠だとし、また、補助金を廃止して税源移譲しても財政力のない農山漁村では税源に乏しく、必要な施策を行えば財政基盤がさらに悪化するおそれがあるとの考えだ。
 必要な支出をどれだけ市町村税でまかなっているかを調査した総務省の財政力指数表(13年度)では、指数が「0.3〜0.59」の市町村が1127、「0.29以下」が1432となっている。調査した市町村数は3246。44%の市町村が自前の財源は3割未満という結果で、6割未満の市町村となると約8割を占めるというのが実態となっている。 (2004.8.31)



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