農業協同組合新聞 JACOM
   
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「BSE対策中間取りまとめ」で消費者団体が意見提出
日本生協連・全国消団連が食品安全委員会に (9/8)

◆国産・輸入を問わず全ての牛肉にBSE対策を

 日本生協連(小倉修悟会長)と全国消団連(神田敏子事務局長)は、食品安全委員会プリオン専門調査会の「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について 中間取りまとめ」についての「要請書」(日本生協連)、「意見」(全国消団連)を9月8日、食品安全委員会の寺田雅昭委員長に提出した。
 日本生協連は「BSE対策については、第一に、国産・輸入を問わず全ての牛肉に対して講ずるべきであること、第二に、プリオン病に関する研究は不明なことが今でも多く、これまでの研究で判ってきたこともまだ不確実性を抱えていること、第三に、科学的知見が十分に確立されていない中では、全ての関係者が認識を深めてリスクコミュニケーションを進めること、に留意して進める必要がある」とし、概略、次のような要請を行なった。
 まず国内のBSE対策については、「中間取りまとめ」では「一部報道にあるような“20か月齢以下は除外”とする具体的な結論を示して」おらず具体的なリスク管理措置については、「施策の具体的決定に至るまで、リスク管理機関によるリスクコミュニケーションを徹底して実施する必要性を、改めて厚生労働省や農林水産省に強く要請」して欲しいと、リスクコミュニケーションの重要性を強調している。
 さらに、ピッシング廃止や脊髄除去の必要性などが一部書かれているが「これまでの専門調査会の審議では、これらの実施状況の報告に基づいたリスク評価作業が十分に行なわれていない」と指摘。厚労省や農水省に「追加データの報告を求め、十分なデータに基づいて審議」し「改善点を要請して」欲しいとしている。

◆「中間取りまとめ」は米国牛肉輸入再開とは関係ない

 米国産牛肉と輸入牛関連食品の安全性確保については「米国のBSE対策に関するリスク評価が食品安全委員会で行なわれなければ、米国産牛肉の輸入再開は検討できないと考えます。米国政府と関係各省に米国のBSE対策に関わる情報を求め、リスク評価を行なう」ことと、食品安全委員会での「リスク評価が曖昧なまま輸入再開に至らぬよう、食品安全委員会からも関係各省に要請」するよう希望している。
 また、BSEの「非発生国」であっても、過去に肉骨粉を輸入し、SRM除去、サーべライス検査や肉骨粉規制も行なわれていない国に関しても「BSEのリスクが懸念されるため、BSEのリスク評価」を行なうことを要請している。
 全国消団連の「意見」も基本的に日本生協連と同じだが、マスコミがこの中間とりまとめを「米国牛肉輸入再開交渉と関連付けて報道して」いるが、「食品安全委員会での議論は、あくまでも日本におけるBSE対策についてのまとめであり、米国牛肉に関連付けてまとめているわけではない」、「このことを食品安全委員会として改めて表明すべき」だとしている。

◆透明性の高いリスクコミュニケーションを

 食品安全委員会は、今月16日、18日にリスクコミュニケーションのための意見交換会を実施するが、これについて日本生協連は「説明や説得に終始することなく、消費者の声を聞く姿勢を持ち、また消費者の声がどのように反映されたかわかるような、透明性の高いリスクコミュニケーションに努める」ことを要請している。

(2004.9.14)


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