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非営利組織論の田渕氏に今年のJA研究賞 (11/5)

表彰される田渕直子助教授
表彰される田渕直子助教授

 JAに関する研究で優れた業績を挙げた人を表彰するJA研究賞が今年は『ボランタリズムと農協』(平成15年3月、日本経済評論社刊)の著者である北星学園大学経済学部(札幌)の田渕直子助教授に贈られ、11月5日、都内のJAビルで、JA全中の宮田勇会長から表彰状が手渡された。 田渕さんは「高齢者福祉事業からは、農協の原点がよく見える。ボランティアから出発して、事業に発展し、報酬がもらえるようになった。そうなればプロにならないといけない。しかし原点のボランタリズムを見失なわずにプロ意識と両立させていく道があるはずだと思って研究に取り組んだ」と語った。
 著書の後半ではJA女性部が自前でヘルパーの育成をやるなどして原点の理念を伝えているなどの活動事例を紹介している。
 また栃木県・JAはがのの女性職員が、ケアマネージャーなど地域の人材をスカウトしてJAに集め、その人材がいた機関ともネットワークを結ぶという実にユニークな活動も紹介。ここでも非営利組織のボランタリズムが「キーワードになっている」という。
 一方、選考委員会は▽女性部員と女性職員の果たす役割の大きさを解明し、農協理論の面で新知見が見られる▽運動から業へと移っている農協の高齢者福祉をボランタリズムという視点から分析し、農協のあり方論につながる論点を提起しているなどと評価した。
 田渕さんは、栃木県生まれ、北海道大学卒。農協論、非営利組織論が専門。

◆JA研究助成も8件決まる

 全中のJA研究表彰奨励事業は昭和48年から続いており、今年は研究助成について「特別研究」としては「地域経営体の展開条件と協同の再構築のあり方」を課題とする宮崎猛教授(大阪府立大・院農学研究科)が助成対象に選ばれた。
 「一般研究」は「地域社会会計マトリクスを用いた農協活動の果たす役割の定量的分析」の浦出俊和助手(大阪府立大・院農学生命科学研究科)ら計7氏。

(2004.11.8)


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