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上限関税の阻止求め全国JA代表者集会
基本農政確立も要請 (7/22)


1200人がWTO対策などで全国代表者緊急集会=7月22日、東京・九段会館
1200人がWTO対策などで全国代表者緊急集会=7月22日、東京・九段会館

 7月末の枠組み合意に向け、WTO交渉は最大の山場を迎えているとしてJA全中は「WTO農業交渉・基本農政確立全国代表者緊急集会」を7月22日、都内で開き、米国などが主張する上限関税の設定を断固阻止することなどを求めて自公両党に要請。集まったJA代表約1200人は改めて日本提案の貫徹を目指す決意を示した。
 WTO一般理事会の大島正太郎議長が16日に提示した枠組み案は焦点の農業分野で不透明な点が多い。日本は、関税を一定値以下に抑え込む「上限関税」の設定と、一定数量以下の輸入は無税か低率にする「関税割当」の義務的拡大を阻止することを大きな目標としてきたが、この2点の結論は枠組み案で先送りされた。
 集会ではJA全中の宮田勇会長が、これらについての懸念を指摘。また山田俊男専務が、配慮すべき重要品目の範囲や、具体的な柔軟性のあり方が不明確であるなど、枠組み案の問題点を具体的に説明した。
 次いで花元克巳副会長が「WTO体制になって毎年1%ずつ食料自給率が下がるとともに、国民の道徳も低下し、食べ物も命も大切にしない風潮となった。多様な農業の共存は、単に農業だけのテーマではない」などと説いて、上限関税と関税割当の拡大の阻止などを2与党に要請した。
 これを受けて自民党総合農政調査会の野呂田芳成会長は「来週には議員団を結成してジュネーブへおもむき、多様な農業の共存を訴える」と議員外交の意気込みを語った。
 また同党農林水産物貿易調査会の桜井新会長は、開発途上国からなるG20というグループの中で重鎮となっているインドを最近、訪問し、商工大臣との会談では「米国が何といおうと、インドの農民が生きていけないような(貿易)ルールは受け入れられない。私は日本をアジアの代表だと思っている。今後も一緒にやっていきたい」と語っていたという話を紹介した。
 集会では「新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向けた重点要請」もした。農水省の基本計画見直しの中で政策審議会の企画部会は7月21日に中間論点整理をした。これについて野呂田会長は「自民党は企画部会のとりまとめを、そのまま受け入れることはない」と語った。

多様な担い手づくりを基本農政で求める

 「新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向けた重点要請」の柱は次のとおり。
 (1)地域農業・農村の将来像を基本とした制度体系の確立 (2)「農地を農地として利用する」農地制度への見直し強化 (3)特区による農業参入の全国展開と一般の株式会社の農地取得について (4)地域農業を支える多様かつ幅広い「担い手」づくり (5)担い手への新たな経営所得安定対策の確立(6)地域資源・環境保全型農業への新たな支援対策の確立 (7)食料自給率の向上に向けた戦略作物対策など総合的施策の確立 (8)抜本的な財源確保対策等の確立。 このうち(3)については、一般の株式会社などが農地を所有して農業に参入することを認めないようにと求めた。
 (4)の担い手については、企画部会の「認定農業者制度が基本」という整理に対して、国や行政が一律的な要件にもとづいて指定するのではなく▽育成すべき者▽集落営農▽受託組織などを含めた多様で幅広い担い手づくりを提言した。
 また担い手は「地域水田農業ビジョン」づくりの取り組みを強化する中で、地域ごとに特定していく制度を(1)で求めている。
 (5)の経営所得安定対策の対象も、そうした多様な担い手であって「需給調整・計画的生産に取り組む者」とした。 (2004.7.23)



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