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きらりWoman

女性たちのちっちゃなグループが元気ですね

野口洋子さん JA全中・女性組織活性化対策室室長

野口洋子さん
 この4月、スタッフから室長に昇進した。「部署が変わったわけではありませんから」と言うが、全国130万人のJA女性組織の事務局長の立場に。さまざまな市民団体との接触も増えた。女性への暴力などに取り組む団体からも連携を求められることもあるとか。農協の一団体というよりも女性団体として受け止められている、と感じる。
 「女性部にとって農業はもっとも大切。でも、それだけじゃなく女性が抱えている現実をもっとトータルに捉えることも必要かもしれません」。
 いろいろな団体と話す機会が増えるなかで実感しているのが、「ちっちゃなグループが元気」ということ。自分の関心に直接結びついた活動に女性のエネルギーが発揮されている、思う。
「女性部でいえば、それはまさに直売所。結局は日本農業を守ることになるけれど、やればやるだけのことはあるという実利・実益があったから。経済面だけではなく気持ちの実利もあると思うんです」
 少し前は、100円市なんて、と冷ややかみる空気が現場にはあった。が、気がつけば消費者の支持が広がりJA自らが取り組む時代に。部員数の減少という悩みを抱えるが、このところの女性部の活動は、JAに大きな影響を与えている。高齢者福祉も地域の老人たちに目を向けた女性たちのささやかなボランティア活動があったからこそ、JAが事業化できたところは多い。
 「女性部員たちはJAのファンですよ。組合員組織としてはいちばん大きい。JAの基盤づくりに貢献してきたと思います」。

野口洋子さん
 一般職として入会。2年前、2度目の総合職試験に挑戦して合格、現職に。JA全中では初めての女性管理職となった。女性の視点に期待がかかる。
 「たとえば、食べものについては女の人が決定権を握っていることが多い。日々関わっているだけに敏感です。女性がもっと表に出ていけば多様な見方が生まれると思います」
 しかし、現実は子育てなどの壁もある。「子育てには手をかけなければならない時期はあるから、その時は割り切るしかない。でもその時期が過ぎたらまた仕事に復帰できるような社会でないと。私自身は子どもを育てて成長することができました。お父さんもお母さんと一緒に成長してほしいですね」
 子どもは娘が二人。長女はこの夏に独立。次女は高校3年になった。
「私のこと、ふざけて、シツチョー、なんて呼んでる(笑)」
 子育てが終わったら次は介護、も多くの女性の現実だ。
野口さんも「その通りになってしまって」数年前、実母が病に倒れたという。現在は退院してともに暮らす。  「家に帰ってきたらずいぶんよくなったんですよ。やっぱり家族ってすごいですね」。
 笑顔で語る。


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