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スリランカも正式メンバーに
 ――第2回アジア農業者グループ会合


◆「主食は米」で共通認識

 「協力のためのアジア農業者グループ」 の第2回会合が4月18〜19日、インドネシアのジャカルタで開かれた。同グループは、昨年11月、JA全中の呼びかけで結成されたアジアの農業者団体の集まり。今回は、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、日本が参加、オブザーバーとしてスリランカとEU(COPA・COGECA)も出席した。

 会合では、全出席者の間で特に食料安全保障の重要性、貧困の解消、雇用の促進などの観点から、農業が重要であることが改めて確認されたほか、アジアの経済危機に直面した経験から農業が経済と社会の回復のためにきわめて大切であることも強調された。

 また、こうした認識をWTO農業交渉で主張していくことや各国の共通性と多様性に十分配慮しながら、「アジア・モンスーン地域」 における農業者間の連携と緊密な協力について全会一致で合意した。

 今回の会合では、同グループが属する地域を 「アジア・モンスーン地域」 と規定したのが大きな特徴だといえる。この規定を提案したのは、議長国であるインドネシア。参加者に向けて、「アジア・モンスーン地域とは、農業の中心が稲作であり、しかも国民の主食が米」 と説明し、全参加者が納得したという。今後は、同グループはアジアの稲作農業の発展のための連携という面も世界に向けて発信されていくことになる。


◆フィリピン、ケアンズ・グループからの脱退を求める

 また、会合では、持続可能な農業は多国籍企業の支配下におかれるのではなく、アジア・モンスーン地域特有の小規模農業が保全される場合にのみ確保され得ることも確認された。これに関連して、フィリピンの代表(自作農民連合レオナルド・モンテマイヨール専務)が、同国の対豪州貿易が赤字であることに触れ、「完全無欠の自由貿易はありえない。わが国はケアンズ・グループを脱退すべきであるとの決議を大統領に提出した」 ことを紹介した。かりにフィリピンがケアンズ・グループを脱退することになれば、タイ、マレーシアなどアジアの他のケアンズ・グループ国にも影響を与えるとみられ、今後が注目される。

 なお、同会合にオブザーバーとして出席したスリランカは正式メンバーとなった。また、5月にドイツのハノーバーで開催される世界農業者連盟(IFAP)の総会と併行して、ヨーロッパの農業者団体との連携も深めることにした。同グループの第3回会合は来年2月にタイで開かれる。


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