トップページにもどる 農業協同組合新聞 社団法人農協協会 農協・関連企業名鑑
「稲作経営の安定とJAグループの米穀事業改革
 

ご飯の良さ、日本の文化を理解してもらうことから


JA全中米消費拡大・食生活対策室 久保信春室長に聞く

◆子どもたちに

 コメの消費を拡大するための特効薬はないと思います。いま茶碗1杯ご飯を食べている人が、明日から急に2杯3杯食べることは現在の食料事情の中では考えにくいことですから、まず、ご飯を中心とした食生活が、「食生活指針」にもあるように健康面でも有益であることを多くの人に理解してもらうことだと思います。とくに、小さい頃から、家庭や学校でおコメを食べてもらうこと、米飯給食の一層の普及が重要だと思います。現在、文部省の目標である週3回には届きませんが、週2.7回くらいになりました。大消費地での普及が伸び悩んでいますので、ここをいかに高めていくかが今後の課題です。

 食事は、単にエネルギーを補充するだけではなく、人と人の絆あるいは地域文化とか生物に対する思いやりなど、社会生活や文化と深く関わっていることを理解させる「食農教育」に対する学校の先生方の理解もだいぶ深まり、体験学習を積極的に進めていきたいという声が強まってきています。しかし、農業とか稲作を知らない先生も少なくないわけで、生産者団体として、場所とかノウハウ、あるいはバケツ稲づくりのような資材提供などで協力していくことが、ますます重要になっていくと思います。

◆若い女性たちに

 子どもたちとともに重要なのが、20歳代、30歳代の女性です。この世代のコメの消費量が減っているということと、現在あるいは将来の母親として家庭における食に関し、絶対的な影響力を持っていますから、ご飯の栄養的価値や稲作の社会的な役割を正しく理解してもらい、スムースにご飯食を採ってもらうようにすることだと考えています。また、女性にとって美容とダイエットは永遠のテーマだと思います。あまり最初から最上段に構えず、健全なダイエットと美容にとってご飯が非常に有益だということをアピールし、まずはご飯に関心を持っていただくことも大事です。

 調査によりますと、子どもと一緒に朝ご飯を食べない母親が30%もいます。朝食は平日の場合、家族がそろって食事できる唯一の機会ですが、それが失われているわけです。多くの女性が仕事を持ち、忙しいこともあると思いますので、簡単にできるごはん料理のレシピの提供をホームページなどで行っており、家族による食卓が少しでも増えるよう努めています。

◆朝ご飯を食べよう

 朝ご飯を食べない人もかなり増えていますので、消費の拡大と将来的な食文化を考え、食糧庁と全農、全中で「朝ごはん実行委員会」をつくり、キャンペーンを行っていますが、従来のようなマスメディアを使ったPRだけではなく、広報・広告・物流の三位一体で朝ごはんの機会を創出する運動展開を行っています。物流とは、コメの消費量が減退する中で、冷凍米飯などを含めた外食は確実に増えていますから、手軽に食べられるご飯の製品開発・メニュー提案をし、コンビニ・ファミリーレストラン・通販と提携して販促を行っていこうということです。
 そのことで、ご飯を食べていなかった層に食べてもらう環境をつくっていき、米ならびに国内農産物の消費拡大を図っていこうということです。

◆「地産地消」にどう取組むか

 最後に、いま消費者は、食の豊かさと同時に、安心・安全を求めています。その中で、学校給食も含めて「地産地消」ということがいわれています。これは農産物が地域でどういう仕組みや関わりのなかで消費者に届いているかを理解してもらうことになりますから、ここに生産者団体としてのJAがどう取組んでいくかが重要になってきていると思います。
 おコメの消費拡大は、ご飯の良さやそれに基づいた日本の食文化について、消費者自身で見直し、理解をしてもらうことですから、地道に確実に進めていかなければいけないと考えています。(談)



農協・関連企業名鑑 社団法人農協協会 農業協同組合新聞 トップページにもどる

農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp