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特集:稲作経営安定と集荷向上をめざして

  急成長する「無洗米」
―カギ握る「食味」「価格」「環境問題」


無洗米と一般の白米の比較や
加工・製法をパネルでわかりやすく説明

 「冷たい水でお米を洗わずに炊ける」無洗米が急成長している。
 先月の売れ筋ランキング(日経POSデータ)での米銘柄商品100種類のなかに12種の「銘柄無洗米」が食い込んだ。1年前はゼロだから凄さがわかる。卸元でみると「ミツハシ」や「全農・パールライス」などの5kg袋の「秋田あきたこまち」を始めとした多種多様な無洗米商品がスーパーなどで出回っている。
 10年前に「BG無洗米」が開発されたが、首都圏の生協が取り扱いを始めてから急伸した。「洗う手間が省ける」「とぎ汁を出さず海・川を汚さない」ことが生協組合員に受けた。
 (社)全国無洗米協会の岸専務理事は「新しいところの普及ではこの9月に大阪市内100校の学校給食が通常炊飯から切り替わり、京都の生協では扱い量が90%になった所もあります。現在の消費量を40万トン前後とみていますが、なぜか20代・50代女性を中心に高い伸びを示しています」と語る。
 また「当社の無洗米扱い量は20〜24%位と分析してます。一度買った人のリピーター率が高いですからまだまだこれから伸びるでしょう」とみるのは全農パールライス東日本(株)の北原営業部次長。
 タレントを器用したCMが当たって認知度が高くなった(首都圏96%)ことは事実だが、今後の消費伸長を占う点でカギを握るのは「食味」・「価格」・「環境問題」であろう。通常の炊飯器では「水量を10%増量」すれば味は「通常米以上」との評価もある。無洗米専用炊飯器も、多少割高となるがメーカー各社も販売を開始している。
 さらに、生協で45%、米卸業界で36%の普及度といわれるが、小売店はまだこれからという状況。米の「革命商品」とか消費拡大の「救世主」等と称される無洗米は2002年も、その動向が各方面から更に注目されるだろう。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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