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地域における満足度・利用度No.1をめざして
21世紀に飛躍するJA共済事業

ITの有効活用で機能強化を
JA共済事業のIT戦略
高度なサービス提供と効率的な業務プロセス確立

◆生損保業界におけるITの活用状況

 インターネットをはじめとしたIT(情報技術)の改革が急激に進んでいるが、金融機関各社は、国際的な大競争に生き残るために、業務プロセス全般を見直し、積極的にITを活用して、事務等の効率化を図っている。また、最近の提携・合併の目的の一つに、IT投資の原資を効率的に確保していくこともあげられており、さまざまな分野でのシステム統合や共同化が進んでいる。
 生損保業界においても、収益貢献度の高い顧客層の明確化や顧客のセグメント化を行うなど顧客別マーケティングを実践し、最小のコストで最大の利益をあげられるように、ITの活用を進めている。また、電子商取引に代表されるように、インターネット利用者向け専門会社を設立するなどして、新たなチャネルに対応した商品、価格、サービスの提供に取り組んでおり、インターネットやコールセンターを活用して、契約の締結までできるような戦略も打ち出されている(表1)。

◆JA共済におけるITの状況

 JA共済は、昭和62年から系統事業としてはいち早く全国ネットのオンラインシステムを構築し、全国を一元化した契約引受や共済金支払を行ってきている。
 さらに、平成12年度からは、JA共済ネットシステム2000(Kinds'00)が稼働している。この狙いは、情報システム基盤の整備とITの積極的活用による、(1)組合員等利用者満足度の向上、(2)業務生産性の向上、を目標として、(ア)引受審査・支払査定業務の迅速化・効率化と標準化の促進、(イ)普及活動支援の高度化、(ウ)事務処理方式の合理化、の3点を基本に、主に表2のような新業務システムを構築していくことにある。

◆今後のIT有効活用の方向

 ITの進展は、当然、今後のJA共済事業にも大きな影響を与えるものと予想される。JA共済においては競争力をさらに強化するために、ITを効果的に活用することで、これまでの人的な結合関係に加えて、情報基盤のネットワークを活用した組合員や利用者との新たなつながりづくりやサービス提供の高度化が必要となっている。
 こうしたことを踏まえて、平成13年度を初年度とする「JA共済3カ年計画」では、基本方針の一つとして「ITの有効活用による一層の機能強化」を掲げている。
 具体的には、JA共済ネットシステム2000等を活用した業務プロセスの定着を図り、普及推進力の向上や引受審査・損害調査等のサービス提供の基本機能のさらなる強化に取り組んでいくというものだ。このために、JAと連合会は一体となって、新しい事業運営方法の基盤となるJA本所の端末機設備の強化と、JA支所等への端末機の設置拡大・定着化に取り組んでいく。
 また、インターネットに代表されるネットワーク型社会に適応した新たな業務プロセスの確立にも取り組んでいく。このために、ITを活用して、機能に応じた低コストでスリムな組織体制の確立をサポートすることや、利便性の高い総合相談機能の拡充・資金運用力の高度化・リスク管理の強化等に取り組みながらサービス提供など、競争力をさらに高めていく。
 さらに信用事業など他業態との連携を深め、総合的な金融サービスの提供などにより、組合員・利用者へのサービスを向上させることにも取組んでいく。

◆インターネット等ITの有効活用について

 ◎インターネット等を活用したサービス提供の拡充
 インターネットを活用した契約者・利用者向けサービスとしては、すでに、JA共済ホームページ(http://www.ja-kyosai.or.jp)で「JA共済のご案内」「共済仕組みの紹介」などを提供している。さらに今年度中には「自動車共済の掛金見積もり」サービスを開始する予定だ。すでに、インターネット上では損保各社が自動車保険の掛金見積もりを行っており、掛金を比較するサイトも立ち上げられているが、JA共済においても比較サイトなどへの参加について検討していきたいとしている。
 さらに、JA共済契約者に対するサービスを向上・拡充するために「契約内容の照会」「住所変更等の簡易な異動手続きの申込み」などを順次実現していく予定だ。
 またLAインターネットを活用したLA(ライフアドバイザー)間のダイレクトな情報交換を可能にする「LA専用ホームページ」を今年度中に実現し、効率的な推進活動の実践やLAのスキルアップを目指していく。このホームページの内容としては、推進成功事例の紹介、推進用資材の活用方法・有効活用例、その他生損保動向などの情報をタイムリーに提供していくことを目指している。また、FP(ファイナンシャル・プラン)、税務知識などの情報についても外部ツールを活用し提供していく。

 ◎コールセンターを活用したサービス提供の拡充
 ホームページでのサービス提供に加えて、従来の電話による相談機能だけではなく、多様化するコミュニケーション手段に対応したリアルタイムで双方向なサービス提供を可能とする「マルチチャネルコンタクトセンター(コールセンター)」の設置についても検討している。これは、現在のコールセンター機能を集約し、共済相談業務や事故の夜間受付などを電話のみでなく、FAXやインターネットメール、携帯電話メールなど、さまざまな媒体による問い合わせに対応し、全てのチャネルにおいて均質な契約者サービス提供の実現を目指すものだ。
 もちろん、JA共済では契約者とJA職員とのフェイス・トゥ・フェイスでのつながりが基本であり、LAなどの推進やJA窓口等を補完する役割として位置付け、コールセンターで収集した問い合わせや推進機会などの情報を、JAやLAへ提供できるようなシステムを検討することで普及推進の支援を行っていきたいという。

 ◎次期携帯端末機の開発
 現在、LAはライフナビゲーターという携帯端末機を使用して普及推進活動を行っているが、その後継機を平成15年度の全国展開を目指して開発していくことを予定している。そのため現在は、LAや共済担当職員などの意向を調査しながら、インターネット機能を付加するなどの新機能についての検討を行っている。

 ◎データ分析の高度化
 インターネットやコールセンターで収集・管理したデータをどう分析し活用していくのかは、IT時代の大きな課題だといえる。
 そのため、JA共済としては、普及推進の生産性向上や共済仕組みの開発などの経営活動にこうしたデータを活用していくこと。また、既契約データなどの活用も含め、利用者分析・市場分析ツールの開発などによって、普及戦略の策定やJAでの普及企画力の向上を目指していきたいとしている。
 さらに、JAごとの地域に密着した推進計画策定をサポートするために「JA共済推進計画提案サポート」を構築し稼動しているが、さらに効果的・効率的な活用に向けて改善するとともに、定着化をはかっていくことにしている。
 経営活動においては、県本部や全国本部での事業計画策定や共済仕組みの開発への活用、普及活動におけるキャンペーンなどの展開においても有効活用できるようなデータ分析を実現し活用していきたいと考えている。そのために、データマイニングなどのデータベースマーケティングのノウハウを習得しながら順次できるものから取り組んでいくとしている。

 ◎連合会業務の効率化・高度化
 連合会においても、ITを活用することで、効率的な業務遂行などを実現し、事業全般のスピードアップをはかっていくと同時に、連合会職員の専門性の強化や連合会固有業務の高度化をはかっていく。
 連合会固有業務システムの高度化としては、会計、人事・給与、財務システムなどの拡充に取り組んでいく。人事・給与システムについては、連合会統合による統一人事制度(平成15年度から)の実施に向けてシステムを構築していくことにしている。また、会計システムについても高度化をはかっていく予定だ。
 財務システムについては、統合により運用資産が一元化されたことから、運用資産全体を総合的に管理し、リスク管理、運用分析などを行えるよう効率的な運用を目指し構築していく。

 ◎人と人のつながりを第一に
 JA共済では、組合員や地域住民の営農と生活を守るために、今後とも高水準で最良のサービスを提供していくためにITの活用においても、「人と人とのつながり」を第一義として考えて進めていくとしている。
 また、より利用者の立場にたったシステム構築が求められることから、組合員、契約者・利用者、JAのニーズを十分に反映しながら、競争力を高めることができるようなIT活用の実現に向けて具体化を進めていきたいと考えている。

表1
生損保の戦略 IT投資分野
(1)顧客管理(顧客セグメント別のマーケティング等) ・ハードウェアやネットワークの整備
・商品別の顧客情報の統合
・顧客別収益管理ソフトの開発    等
(2)事務効率化(審査査定データの電子化・意思判断
  システム化、集中事務センター  等)
・事務周辺機器の高度化
・事務フローの変更     等
(3)販売チャネル(インターネット・コールセンターでの
  資料請求・情報提供、保険販売  等)
・(1)(2)のハード面の投資
・本人確認機能、決済機能等の整備  等

表2
新業務内容 概 要
生命・損害契約事務 長期共済の新契約引受審査・支払査定のJAでの自己完結による、事務処理の迅速化・効率化を目指す。
自動車共済の損害調査業務では、損害調査業務プロセスのシステム化により、処理の迅速化・効率化・標準化を行い、契約者サービスの向上を図る。
普及活動支援の高度化 地域の特性に即した情報活用を可能とするために普及用データベースを再構築し、LA(ライフアドバイザー)活動の支援の強化を資する。
事務処理方式の合理化 連合会統合にあわせ、ネットワークの構成を変更し、JAと連合会を大容量の通信ネットワークで結び、情報伝達の電子化・ペーパーレス化による重複事務の削減・効率化を図る。


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