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特集:満足度・利用度No.1をめざして
    挑戦するJA共済事業

生活総合保障の提供で、「幸せづくり」に貢献
平成13年度の成果と14年度の抱負

前田千尋 JA共済連専務理事に聞く

 ここ数年、共済・保険市場はかつてない厳しい環境下にある。「中期3か年計画」の初年度であった13年度、JA共済は多くの不安材料をものともせず目標を達成した。この13年度の成果とこれからの抱負を、前田千尋JA共済連専務理事に聞いた。

◆厳しい市場の中で長期共済30兆円を確保

−−「中期3か年計画」の最初の年であった13年度はどのような1年でしたか。

前田千尋氏

 前田 企業の収益が悪化傾向をたどり、個人消費も雇用・所得面の不安から低迷が続いた。さらに同時多発テロ、不良債権処理の先送り、株価の底這いといった不安定要素をかかえたまま日本経済は推移した。そのなかで、共済・保険も、保険市場の成熟化、家計の冷え込みから新規契約の獲得がいっそう困難さを増すと同時に、保障の見直しから解約が高止まりのまま推移し、保有契約高の減少に歯どめがかけられないなど、非常に厳しい環境下にあったといえます。
 JAグループにとっては、それに加えて、BSE問題の発生やペイオフを控えた対策など、対応しなければならない課題も多かった年でもあったと思います。
 それにもかかわらず長期共済新契約は、12年度の史上最高の実績にはおよばなかったが、目標の101%にあたる29兆9613億円の実績をあげ4年連続して目標を達成し、ほぼ30兆円の水準を確保しました(図1参照)。このことは、厳しい事業環境にある共済・保険市場のなかで特筆すべきことではないかと考えています。

図1 長期共済新契約実績推移

 これは、全国のJA役職員のみなさんの保障提供・事業推進活動に対する信念と、組合員・利用者の幸せづくりに貢献しようという確信に満ちた活動が実を結んだ成果だといえます。事業開始以来50年余にわたって築き上げてきた組合員・利用者からのJA共済に対する信頼と評価の結晶以外のなにものでもないと思っています。

図2 年金共済実績推移

 また、年金共済も2年連続で目標を達成し、1764億円の実績をあげました(図2参照)し、自動車・自賠責共済も件数では、わずかに12年度を下回りましたが、掛金については自動車が100.2%、自賠責が101%と12年度を上回る実績を確保しました(図3図4参照)。

図3 自動車共済実績推移
図4 自賠責実績推移

JA役職員の信念と確信に満ちた活動で目標達成

◆生命共済のシェア回復へ道筋

−−平成13年度の普及推進でとくに成果があったのはどのような点でしょうか。

 前田 図1(長期共済新契約実績推移)のように、11年度から建更への依存傾向が強まり、JA共済の根幹ともいえる生命共済のシェアが低下し、12年度の長期共済の構成比は46対54と建更が生命を上回りました。
 このため、13年度では「生命共済への回帰」を掲げ、新全入院特約の訴求による生命共済の魅力アップとか、LAを中心に次世代層をターゲットに展開した「パパ・ママキャンペーン」の活用など、年間を通じた生命共済への取組みを強化しました。
 この結果、13年度の生命共済は前年比107.1%を確保し、長期共済実績に占める割合も52.6%にまで回復し、生命共済の推進力、シェア回復への道筋をつけることができたのではないかと考えています。
 また、建更は需要が一巡したこともあり、前年比で83.1%の実績となっていますが、まだ発売初年度であった11年度実績を上回っており、「生損併営」という特徴を活かした「ひと・いえ・くるま」の総合保障確立に向けて14年度以降も大きな力となることは間違いありません。

−−自動車共済では、どうですか。

 前田 保険会社の合併や保険料率の自由化によって各社とも体制の強化をはかり、顧客の確保に力を向けてきましたが、JA共済では、「カーライフお得の証明キャンペーン」による見積り活動などを通じて、「安さ」と「安心」の自動車共済を積極的にアピールすることで前年度と同水準の成果をあげることができました。

◆LAの実績、長期共済の50%に迫る

−−LA体制が拡充されたことも大きな成果ではありませんか。

 前田 そうです。生保業界では、顧客の維持・拡大に向けて営業職員を増やしている会社も若干はみられますが、事業環境が厳しいので営業職員を減らしている会社が多いようです。JA共済ではLA体制を13年度末には全国で1万8359人にまで拡充しました。LAを導入しているJAは全JAの80%に達しています(図5参照)。
 こうした専門知識をもったLAが、提案・相談型の推進を恒常的に展開してきた結果、長期共済に占めるLAの挙績額は45.5%を占めるまでになり(図6参照)、14年度では50%に達するのではないかと予測しています。
 LA体制は着実に伸展してきていますが、さらにこの力を大きく発揮するためには、13年度でも取り組みましたが、次世代層に対して生命共済の拡大に向けた取組みをさらに強化していくことが必要だと思います。
 また、まだ組合員中心の推進になっていますので、どう地域の人たちに対する広がりをもった取組みをしていくかもこれからの課題だといえると思います。

図5 LA数と導入JA率推移
図6 長期共済に占めるLA実績率

−−こうした成果と課題を踏まえて、14年度はどのような事業展開をしていくお考えですか。

 前田 JA共済事業の目的は、農家組合員や地域の人たちの幸せづくりを共済事業を通じてお手伝いすることです。非常に厳しい状況にありますが「ひと・いえ・くるまの総合保障」を提供することで、組合員や地域の人たちの営農と生活の安定・向上に貢献し、「JA共済を利用して良かった」と満足していただくことで、事業もさらに伸びていくことが一番だと思います。

意欲とプライドを持ち
農村地域に共済事業の確立を

◆満足度向上させる「しあわせ夢くらぶ」

 前田 そのために4月から、既契約者の満足度とこれから加入される方の利便性の向上をはかる新しい仕組みとして「JA共済しあわせ夢くらぶ」をスタートしました。
 また、次世代層や組合員・利用者の生存保障・医療保障ニーズにお応えするために「がん共済」を始めました。
 これはすべての「がん」を一生涯にわたって幅広く保障するだけではなく、脳腫瘍についても良性・悪性を問わず保障対象としていることが特徴です。
 利便性の向上ということでは、自動車共済に自動契約特約を新設し、継続契約の締結に関する手続きを簡略化するようにしました。

−−普及推進についてはどうですか。

 前田 JA役職員による一斉推進という基本姿勢に加えて、仕組みが複雑化していますから他社との違いや保障内容をきちんと説明できる専門知識をもったLAによる推進は不可欠です。LA育成にはさらに力をいれ、3か年計画の最終年度である15年度には2万1000人体制を確立します。

◆機能分化した体制で各自が責任果たす

−−7月から経営管理委員会制度が導入されますね。

 前田 激変する事業環境への迅速・的確な対応をするために、組織代表である経営管理委員会が事業の基本方針や重要事項を決定し、理事会が専門性をもって機動的にそれを執行していくという体制となります。こうした体制になっても、意思疎通が一番大事ですし、理事会の執行にあたっては、組織代表の意思をいかに実現していくかというJA組織の基本精神は、その運営上も活かしていかなければならないと考えています。
 そのベースになるのが、JAはなぜ共済事業を行うのかという原点だと思います。
 JA共済がスタートして50余年が経過し、JAの事業は信用事業も経済事業も大きく変ろうとしています。共済事業もその例外ではありません。JAや農村地域への外部の保険会社の進出は激しいものがあり、日夜JA共済の普及推進に頑張っている現場は、文字通り戦場といえます。
 こういう厳しい時代だからこそもう一度、「組合員や地域の人たちの幸せづくりをお手伝いする」という共済事業の原点に立ちかえり、その同じ目的のためにJAも全国連も一丸となって事業を展開していくことが大事ですし、同じ目的をめざして、機能分化した執行体制のもとでそれぞれの責任を果していくことが重要だと思います。
 そして、それができるのが私たちの一番の強みではないでしょうか。農村地域にJA共済事業を確立するために、意欲とプライドを持ってJAのみなさんと一緒に仕事をしていきたいと考えています。


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