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特集:農薬座談会
    農産物への安心・安全に一層の努力

新時代のニーズにこたえる開発を
新殺虫剤ハチハチ乳剤を上市
木部隆一 大塚化学(株)農薬肥料部オンコル担当プロダクツマネージャー

木部隆一氏

 昨年9月に大塚化学(株)は農薬肥料事業部と化学品事業部に特化した新会社として新たに発足致しました。
 農薬肥料事業部はこれまで以上に農業分野で貢献できるよう新農薬の開発、普及に精進していくつもりですので宜しくお願いいたします。
 さて、昨年度は厳しい農薬情勢の中、弊社は春に新殺虫剤ハチハチ乳剤を上市することができました。前評判が高かったこともあり1年目にして順調に販売が進み弊社の昨年度の売上げに大きく寄与することとなりました。主力製品のオンコルとともに弊社の殺虫剤の2本柱として今後も大きく育てていきたいと考えています。
 そして、大塚化学(株)最重点商品のオンコルシリーズもますます充実してきました。基幹品のオンコル粒剤5は昭和61年に登録となり16年を経過し、国内では水稲、園芸の両方の場面に使用できる常備薬として完全に認知され大きな販売数量を上げています。海外でも積極的な展開が行なわれ約40カ国でさまざまな製剤で使用されています。
 国内でのオンコルシリーズは現在10品目がラインアップされており、オンコル粒剤5を筆頭にオンコル粒剤5のパワーアップ版のグランドオンコル粒剤、いもち剤とオンコルの混合剤としてはオリゼメートオンコル粒剤、ジャッジ箱粒剤、デラウスオンコル粒剤、グランドデラウス粒剤の4品目があります。
 園芸分野ではオンダイアエース粒剤、ステッド粒剤、家庭園芸向けのオンコル粒剤1があります。オンコルマイクロカプセルは国内オンコルシリーズ初めての液体タイプ製剤でありセル苗処理、ネギの散布剤として好評を得ています。オンコルシリーズは今後生産者のニーズに適した製剤をさらに展開していく予定です。
 次にハチハチ乳剤は新規化合物、トルフェンピラドを有効成分とする園芸用殺虫剤です。三菱化学(株)農薬部門(現在:日本農薬(株))によって発明され平成8年度からOMI88乳剤の試験番号で三菱化学(株)と大塚化学(株)の2社共同開発を開始し昨年4月に農薬登録をされました。
 本剤の作用機作は害虫のエネルギー代謝系の電子伝達系を阻害する作用です。これは有機リン剤、合成ピレスロイド剤などの神経系阻害剤、IGR剤、BT剤とは異なり、殺虫剤としては新しい作用です。その為、これらの既存薬剤との交差抵抗性の恐れが少なく、登録作物における体系防除の中で有効に活用できます。
 登録作物はキャベツ、ハクサイ、きゅうり、ナス、トマト、キクの6作物、適用害虫は9害虫でスタートしています。殺虫効果は広いスペクトラムを持ち1剤で各種の害虫を同時防除できることが生産者に喜ばれています。今後、適用拡大も数々行なう予定であり新規作物としてダイコン、茶、すいかを予定しています。
 またハチハチフロアブルも果樹を対象に開発しており登録取得を目指しています。
 最後に弊社では今まで以上に自社原体開発を目指し新時代のニーズにこたえる開発と技術普及を持った会社を目指して一層の努力を積み重ねていきたいと考えています。
 全農、JAグループのより一層のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 (2003.3.14)


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