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特集:農薬座談会
    農産物への安心・安全に一層の努力

主力剤を中心に普及販売に注力
スタークルに大きな期待
山崎秀雄 三井東圧農薬(株)  技術普及部殺虫剤グループ課長

山崎秀雄氏

 平素より、JA全農様をはじめ、関係メーカー様、さらには農業協同組合新聞様には当社事業運営にご支援を賜り、改めて御礼申し上げます。
 さて、平成14年度の回顧ですが、BSE(牛海綿状脳症)問題、中国産野菜の残留農薬問題、食品偽装問題そして無登録農薬問題などが社会を騒がし、食品の安全性に対する消費者の不信感が高まり、その信頼が問われる事になりました。
 特に、無登録農薬問題から派生した農薬取締法の改正は業界にとって最も大きな出来事となりました。ラベルの表示問題等、業界にとって少なからず負担となる可能性もありますが、「食の安全性確保」が最優先されるべきであり、この「改正農薬取締法」が業界の発展にとって“追い風”になる事が期待されます。
 このような状況のもと、昨年は病害虫の発生も少なく、農薬工業会ベースの実績は数量で92.2%、金額ベースで93.6%となり、非常に厳しいものとなりました。
 弊社は、水稲・園芸に幅広い適用を持ち、安全で使いやすい事から長期に渡って愛用されている殺虫剤「トレボン」、経済的で低コスト稲作に貢献する初期除草剤の「ベクサー」、臭化メチル代替剤として土壌病害と線虫を同時防除でき、畑地一年生雑草にも効果のある「ソイリーン」、昨年4月に登録を取得した新規殺虫剤「スタークル」を中心に、全社挙げて普及販売に取り組んできました。その結果、弊社の昨年の実績は前年比103%を確保する事ができました。これは一重に関係業界皆様のご支援によるところも大きく、改めて御礼申し上げます。
 本年度につきましては、これまで挙げてきました主力剤を中心として普及販売により一層注力してまいります。
 特に、新たにラインナップに加わった「スタークル」に大きな期待をかけています。本剤は安全性が高く、幅広い適用を持ち、今の時代に合った薬剤と自負しています。また、優れた浸透移行性から水稲カメムシを粒剤の本田施用にて防除できます(02年12月適用拡大取得)。
 弊社は、農薬の安全性を強く意識し、安全な農産物の生産に寄与していく所存です。いま、農薬業界は大きく変貌を遂げようとしておりますが、食の安全性を確保していく事は最優先と考えています。
 今後とも皆様方には、変らぬご支援を何卒宜しくお願い致します。
 皆様のご健勝と事業の発展を祈念し発表に替えさせていただきます。(2003.3.19)


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